2024年03月28日( 木 )

Zoomが中国で利用規制~新規の無料ユーザー登録が不可に

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 ここ数日、中国において、Web会議サービス「Zoom」の無料ユーザーがログインできない事態が生じている。24日、記者が日本、中国、香港の友人たちとZoomで会話をしようとしたところ、中国の友人がアクセスできない状況となっていた。

 原因は、5月21日から開催されている「両会」(国会に相当する全国人民代表大会と国政の助言機関である全国政治協商会議の総称)のようだ。中国では、大きな政治的イベントの開催期間中に、一部ネットサービスが接続不調となることはしばしばあり、記者もかつて中国滞在中にLINE、Gmailなどに接続できなくなったことがある(その後もほぼ接続不可の状態)。

 中国におけるZoomの利用状況を確認したところ、中国語版サイト上には、新型コロナウイルスの感染期間中は新規ユーザー登録を停止しており、5月1日から(既存の)無料ユーザーは会議への参加のみで、会議を主催するには有料登録が必要という状況になっている。

 全人代は5月28日の終了を予定しており、数日経てば無料ユーザーのログイン問題は解決するのかもしれない。
 ここ数カ月でZoomの利用が急増し、データセンターなどの整備が間に合わなくなり、これ以上無料ユーザーを増やせなくなったという可能性もある。

 中国側とZoomで会議を行っている事業者には留意してもらいたい。中国におけるZoom無料ユーザーのログイン問題が解決された後も、中国側が無料ユーザーであれば、会議の際には日本側で会議を主催する必要がある。
 また、中国の状況を見て、Zoom以外のアプリ利用も検討していくことが求められる。

 とはいえ、中国ではほぼ全員がIDを有しているインスタントメッセンジャーアプリ「WeChat」、またはオンライン会議アプリの「DingTalk」(「釘釘」、アリババ)、「VooV Meeting」(WeChatと同じテンセント)は日本では一般的ではなく、逆に日本では一般的なLINEやGoogleハングアウトは、中国では通常使えない状況だ。

【茅野 雅弘】

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