2024年03月28日( 木 )

中国で大雨、洪水が続く 死者4,000人を出した1998年大洪水の再来か

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 中国の大雨が続いている。
 中国政府の応急管理部(防災担当)によると、7月13日の時点での被災状況は以下の通り。

被災者数 :3,873万人
避難者数 :224万人
死者または行方不明者:141人
家屋倒壊数:2万9,000戸
経済的損失:860億人民元(約1兆3,200億円相当)。

 また13日、中国政府の防災当局(国家水害旱魃対策総指揮部)は水害防止の緊急レベルをレベル3からレベル2に引き上げた(1が最高)。

鄱陽湖付近の傾いた建物

 中国では連日の大雨で、多くの河川が増水して水位が上昇している。
 12日、長江下流域に位置する中国最大の淡水湖「鄱陽湖」(江西省)は水位が1998年の洪水時の22.52mを超え、観測史上の過去最高水位を突破した。鄱陽湖付近の家屋が傾く画像などが海外にも伝えられている。鄱陽湖につながっている長江の水位も上昇しているため、溜まった水が流れていかない状態だ。

 三峡ダムについては、共産党機関紙『人民日報』系のメディア『中国経済週刊』が「三峡ダムは変形したのか、崩壊するのか?」というタイトルで、国内外から寄せられる懸念を打ち消すかのように、専門家に三峡ダム関連のリスクを否定させる記事を掲載している。

沈んだ村の保健所

 中国では1998年7~8月にも同様に南方を中心に大雨が続き、長江流域を中心に大規模な洪水に襲われている。当時は、被災者数 2億2,300万人、死者4,150人、家屋崩壊685万戸の被害を生み、経済的損失は1,660億元(約2兆6,200億円。当時のレート1元=15.8円で計算)に達した(長江流域および東北部の松花江流域の被害を含む)。
 このまま来月まで大雨が続くようであれば、被害が1998年のレベルに達するおそれがある。

【茅野 雅弘】

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