• このエントリーをはてなブックマークに追加
2020年08月27日 07:00

中国経済新聞に学ぶ~コロナ時代に変わった若者の金銭感

 お金を使うべき時には使い、使わなくてもいい時は使わない。これは、若者の「ポストコロナ時代」における一般的な考え方だ。

 中国平安銀行がこのほど2020年上半期の「90後」(1990年代生まれ)の購買行動について調査研究を行った。その関連データによると、「90後」が平安銀行のクレジットカード、デビットカードで京東や拼多多などのECプラットフォームで消費する金額は企業活動の再開後に急速に増加し、6月の取引額は2月比5.5倍に増えた。

 これと同時に、中国国外で新型コロナウイルス感染症の厳しい状況が続いていることから、中国国外での「爆買い」に慣れ親しんできた90後の多くが、海南省に目を向けるようになった。3月以降、「90後」の三亜国際免税城での消費総額は感染症発生前の水準に戻り、6月の消費総額は2月比約32倍に激増した。暮らしをこよなく愛する若者は、もう待つことをやめ、消費を享受するのが1つの習慣になっている。

 米マッキンゼー・アンド・カンパニーが発表した「2020年中国消費者報告」では、「中国の若くて自由な消費者は多くの項目で支出を増やしている。新鮮な牛乳、スキンケア、ファーストフード、レジャー用の衣類などだ。実際、この年代は人口の約4分の1でありながら、支出増加の60%をになう」と伝えられた。

 感染症の収束後、若者の消費行動がより理性的になった。平安銀行の調査研究データによると、今年6月にソーシャルメディアを使った共同購入プラットフォームの拼多多で買い物をした「90後」の人数は、1月と比べて12倍近くに増えている。「ポストコロナ時代」は、ますます多くの若者が新商品の発売や値下げをただ「待っている状態」から、共同購入者を誘って安く商品を買おうと「拼多多で多くの買い物をする状態」へと変わり、「お得なショッピング」を心ゆくまで楽しんでいることがわかる。

お金を使うのが上手で稼ぐ力もある 若者の資産運用は柔軟で堅実

 別の調査研究によると、「ポストコロナ時代」の若者は支出を惜しまず、またお金を稼ぐ力もあるという。 上述した平安銀行の調査研究データによると、今年上半期には「90後」の多くが貯金の習慣を維持し、6月に定期預金をした人数は年初に比べて約12%増加し、若い人も災害などの時期には貯金が保障の役割をはたすと認識したことが見て取れる。また調査に回答した「90後」は銀行の資産運用商品を選択することが多く、1回あたりの投資金額は平均で6万元(約90万円)を超え、運用期間が180日以内で、相対的に柔軟で安定した商品を選ぶ傾向があるという。

 広州市出身の「90後」の陳映華氏は「お金を使うのが上手で稼ぐ力もある」若者の1人だ。同市の老舗レストラン「陳添記」の3代目で、祖父の代に始まった同店は40年間1日も休んだことがなかったが、新型コロナ感染症のため今回は初めて店を閉め、2カ月間休業した。

 新型コロナ感染症の影響で商売ができなくても、払うべき家賃が減るわけではなく、多くのレストランのオーナーが店を閉めるか商売替えすることを考え始めた。陳氏も非常に不安で、毎日隣の店のオーナーと世間話をしては、お互いに励まし合っていた。感染症予防・抑制の対応レベルが引き下げられると、この老舗レストランはついに再び客を迎え入れるようになった。

 店を守り続けることは店を始めることよりも難しい。今回の感染症により、陳氏は味を守り続けることの大切さをよりはっきりと自覚し、技術を守り続けるだけでなく、時代の流れに応じて速やかに計画を立て、「老舗も時代に追いつくようにしなければ、店がさらに発展し、味がさらに向上することはない」と考えるようになった。

 陳氏は昨年、父親にデリバリー業務を始めるよう何度も求めたが、こだわりの強い2代目はよしとしなかった。父親に言わせると、デリバリーは味が落ちるので、店の評判に響くのだという。感染症が徐々に緩和された3月、店での飲食が完全には回復しないなか、デリバリーの売上は順調だった。ビジネスを向上させようと、陳氏はデリバリーのパッケージと調理技法を改良し、看板料理である「魚の皮を使った和え物」をデリバリーしても食材の食感が変わらないように工夫した。

 しかし、新型コロナ感染症の影響を前にしては、デリバリーのみではまだまだ足りなかった。営業は再開したものの、陳添記の店の売上高は以前の20~30%ほどになり、帳簿上の資金が消えていく事態に直面して、張氏は焦りを隠せなかった。

 友人の助けを得て、陳氏一家は改めて店の資金運営計画を立て、資金の一部を銀行の資産運用商品に投入し、経営で直面するキャッシュフローの負担を軽減しようとした。陳氏は、「陳添記は外食産業が回復すると固く信じている。そのときになれば、すべてのことが元通りになっているだろう」と今後への期待を語った。


中国経済新聞を読もう

<連絡先>
(株)アジア通信社
所在地:〒107-0052 東京都港区赤坂9-1-7
TEL:03-5413-7010
FAX:03-5413-0308
E-mail:china@asiahp.net
URL:http://china-keizai-shinbun.com

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

     

トップニュース

2020年10月29日 17:53

良きライバル福岡市前副市長・貞刈厚仁氏*中園政信氏~最後にはどちらが笑うか(1)NEW!

 貞刈・中園両氏は2013年4月に同時に福岡市副市長のポストに就いた。高島市長の2~3期目の権力基盤を強固にするために、お互い精魂を尽くして貢献した...

2020年10月29日 16:50

私の履歴元総合商社駐在員・中川十郎氏の履歴書(26)パナマ運河鉄道改修工事

 日本帰国後最初の南米プロジェクトはパナマ運河鉄道改修工事プロジェクトであった。業務本部南米首席として日本からのミッションに同行。長期パナマ出張を命じられたのだ...

2020年10月29日 14:29

【10/31~】イオンモール筑紫野でパンコレクション開催

 大型ショッピングセンター「イオンモール筑紫野」を舞台に、10月31日(土)~11月8日(日)の期間限定で「第4回パンコレクション」が開催される...

2020年10月29日 13:47

織田信長の天下統一は濃尾平野の豊かさのおかげ

 10月19、20日名古屋へビジネス出張。その際、清州城(清須市)、金華山・岐阜城、犬山城(犬山市)を4時間半の短い時間であったがタクシーで駆け巡った。この地域に戦国...

2020年10月29日 12:01

スピード設置と検温が可能なサーマルカメラで感染拡大防止をサポート~スリーアールグループ

 新型コロナウイルス感染拡大の防止に向けて、あらゆる場面で検温が求められる時代。スリーアールグループはこのウィズコロナ時代に対応した商品を相次いで開発しており、オフィ...

2020年10月29日 11:00

急速にEV(電気自動車)化が進むインド~モディ政権のEV推進で3輪、2輪が先行(前)

 インド・モディ政権は、貿易赤字解消のための石油の輸入減や大気汚染の解決などを目的に、電気自動車(EV)推進政策を実施。インドの自動車(4輪)市場は、中国、米国、日本...

2020年10月29日 10:42

【福岡市役所インサイダー】トップが変わっても、政治の「陰険・隠蔽」体質は変わらず

 政府は、日本学術会議が推薦した会員候補のうち6名の任命を拒否して、その理由についてまともな説明を一切していない、っていうか説明できない状況が続いている。安倍から菅に...

2020年10月29日 10:00

8月中間期の粗利益率、イオン九州除き改善 チラシ自粛で特売減る

 上場5社の8月中間決算の粗利益率は、イオン九州を除き前年同期から大幅に改善された。コロナ禍による緊急事態宣言で特売チラシを自粛したことで安売りが減ったことによる...

2020年10月29日 09:33

【凡学一生の優しい法律学】日本学術会議委員任命の論理学(前)

 内閣総理大臣の違法行為・犯罪行為が国民からこれほどまでに非難を受けない「似非文明国」は、日本をおいてほかにない。日本はなぜ、こんな哀れな国になったのか...

2020年10月29日 07:00

バイオ企業・林原の元社長、林原健氏が死去~マスコミを利用した“バイオの寵児”の神話は砂上の楼閣(4)

 林原グループは2011年2月2日、東京地裁に会社更生法を申請した。倒産によって、林原の経営実態があぶり出された。これまで非上場を理由に一切の財務諸表の公表を拒否して...

pagetop