2024年04月18日( 木 )

近親憎悪続けるなら敵を倒せない

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 NetIB-Newsでは、政治経済学者の植草一秀氏のブログ記事から一部を抜粋して紹介する。今回は「安倍政治の本質は大資本の利益極大化であり、来たる衆院総選挙に備えて、リベラル同士の考えが近い者は近親憎悪を続けずるべきではない」と訴えた9月2日付の記事を紹介する。


政治の役割とは予算の編成・執行と法律の制定。
これが二本柱だ。
法律も予算の執行のためのものが圧倒的に多い。
政治に力を注ぐ与党議員の多くが、政治活動が生み出す利権を動機としている。

安倍首相が辞意を表明し、後継者選出の過程に移行した。
当初の読み通り、菅義偉氏が後継首相に就任する流れがあっという間に形成された。
流れをつくった主因は「利益動機」である。
小選挙区制度が導入されて以来、政党執行部への権力集中が進展した。

権力の源泉は公認権、資金配分権、人事権だ。
主流派に属することで権力集中の恩恵に預かれる。
二階俊博氏が菅後継の流れをつくり、主要派閥が主流派に乗り遅れまいと行動し、菅一強体制が構築された。

安倍政治の本質は何か。
安倍政治の本質は大資本の利益極大化である。
日本政治の支配者は巨大資本だ。
米国を支配する巨大資本が日本をも支配している。
この意向に逆らう者は人物破壊工作の対象にされる。

この勢力の僕(しもべ)になれば身の安泰が約束される。

安倍政治が7年8カ月もの長期にわたって存続したのは、安倍首相が日本の支配勢力に隷従したからだ。
大資本の利益極大化追求。
これが安倍政治の本質である。
この政治潮流の先駆者は小泉純一郎氏。

2001年に発足した小泉内閣が大資本の利益極大化政治を導入した。
これを焼き直して強化したのが安倍政治だった。
小泉氏は「構造改革路線」と称した。
プラスの響きのある用語を使えば、悪魔の政策も善良な政策に偽装することができる。

安倍氏はこれを「成長戦略」と称した。
成長戦略の柱は次の5つだ。

農業自由化
労働規制撤廃
民営化
特区創設
法人税減税

これらのすべてに共通する目的がある。
それが大資本利益の極大化だ。

(略)

次の衆院総選挙が近い。
立憲・国民合流新党が基本政策を明確にして発足することは歓迎すべきこと。
とりわけ、「立憲主義の深化」「原発ゼロ」を綱領に明記することにより、「隠れ自公」の勢力が合流せず、「原発推進」の電力、電機、自動車等の労組議員が合流しないことは画期的である。
旧民主党、旧民進党の「水と油の混合状態」がようやく解消に向かうことになる。

(略)

最後の課題は、考えが近い者同士で対立しないこと。
リベラル勢力の最大の課題は、近親憎悪が強いこと。
主義主張が似通っている者同士が対立することが多い。

※続きは9月2日のメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」「近親憎悪続けるなら敵を倒せない」で。


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