糸島市運動公園の誕生、3つの機能を備えた交流拠点へ(1)
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市民の声に応えた大型事業
総事業費57億6,957万2,865円(税込)におよぶ「糸島市運動公園整備・管理運営事業」。2010年1月に糸島市が誕生して以降、最大規模となる事業だが、その始まりは市民からの「家族みんなで楽しめる運動公園があれば」という願いにあった。
願いは、12年2月に各種スポーツ団体を始め、行政区長会、老人クラブ、子ども会育成会など市内18団体と共有され、「総合運動公園の整備を求める請願」として結実する。当時の市議会は、全会一致でこの請願を採択。その後、実現に向けて「総合運動公園等調査特別委員会」が設置されると、13年9月、調査報告書において以下の3項目が提言された。
3つの提言
●総合運動公園等の施設に防災機能を備えること
●市民が真に必要とし、利用しやすい施設を整備すること
●最小限の費用をもって、最大限の効果が得られるように努めることこの3つの提言は、17年3月に策定された「糸島市運動公園等整備計画」内の、備えるべき3つの機能にも反映されている。各機能の概要からは、市民が気軽に普段使いできる運動公園の整備に主眼を置きつつも、近年増加傾向にある自然災害への対策として「防災」や「備災」機能の拡充が図られていることがわかる。
3つの機能
(1)運動機能
●多目的体育館には、メインアリーナ、武道場などを整備。また、観覧席を設けることで、一定規模の大会なども開催できるようにする
●障がい者スポーツなどが行える環境を整える
●屋外運動スペース、フリースペースなどでもスポーツを楽しめるようにする(2)交流機能
●公園、児童公園等の整備により、子どもから高齢者まで、多くの人が運動公園等に集い、交流が図られるようにするとともに、多目的体育館では、成人式や各種イベントなどが開催できるようにする(3)防災機能
●万一の災害時に、避難所や車中泊(※)への対応を可能にするとともに、自衛隊、消防、警察、ボランティアの集結場所など、市の防災拠点としての機能を発揮できるようにする※車中泊に関してはその後、健康被害などを考慮し、市としては積極的に推進しない方針となった。
(つづく)
【代 源太朗】
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