2024年04月23日( 火 )

本当に困っている人々に寄り添える政治を 機会平等で公正な社会へ(前)

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福岡市議会議員 稲員 稔夫 氏

 福岡市市議の稲員稔夫議員は昨年4月の統一地方選挙では中央区でトップ当選をはたし、政治家として着実に基盤を固めている。稲員氏は地域の福祉、子育て支援、教育の問題に重点的に取り組んでおり、少子高齢化の問題を中心に稲員氏に話をうかがった。稲員氏の活動の根幹にあるのは、なかなか光が当たっていないが、本当に困っている、辛い思いをしている人々に寄り添い、彼らが希望をもてる社会を実現すべきという思いだ。

根本的な少子化対策とは 適切な性教育の実施を

 ――福祉、子育て支援、教育の問題にとくにご関心をおもちですね。

福岡市議会議員 稲員 稔夫 氏

 稲員稔夫氏(以下、稲員) これらの問題を考えるうえで、少子化というのは切っても切り離せません。社会保障の持続も然りですが、最終的には国家の存続にも大きな影響をおよぼすことになります。このことをしっかりと念頭に置いて対応すべきです。保育園などの施設を拡充させ、子どもを産み、育てやすい環境を整備することも大事ですが、まずは子どもを授かりたいと願う人々が授かれるということが大切です。しかし、晩婚化している現在、さまざまな問題があり、解決のためには政治の役割が今後大きくなると感じています。

 そのためにとくに力を入れて取り組んでいることが2つあり、1つ目は学校での生物学的により適切な性教育の実施、2つ目は不妊治療への支援です。

 1つ目に関しては、現在の少子化の要因として晩婚化、晩産化が指摘できます。20~30代の時期は仕事が忙しいということもあり、結婚していても子どもを産むのは後でと考えてしまいがちです。しかし、比較的高齢になってから子どもを産もうと思っても、そのときには授かる確率が低くなっています。これについて若い世代、とくに男性は知らない人が多いという印象をもっています。

 そこで、中学校などで女性の妊娠の仕組みについて、とくに加齢と妊娠率の関係について真正面から教えるべきだと思います。これには誤解を招く恐れがありますが、「子どもを産みましょう」「若いうちに産みましょう」ということではもちろんありません。子どもを産むことは人それぞれの人生の選択であり、産まないというのも選択です。またLGBTの方への配慮も必要です。あくまで、若いうちに選択肢を増やせるよう、保てるように、比較的高齢となってから妊娠しようと思っても授かりにくい事態に直面することを減らすためのものです。デリケートな問題ですが、同様に今後反発などを受ける可能性のある事柄においても、その人たちの意見を真摯にうけとめながら、少子化対策の1つとして前に進めていきたいと考えています。

(つづく)

【茅野 雅弘】


<プロフィール>
稲員 稔夫
(いなかず・としお)氏
 1973年、福岡市生まれ。1997年、国際武道大学卒業。2015年、福岡市議会議員初当選(中央区、自民党市議団、現在2期目)。市議会では教育こども委員会、少子・高齢化対策特別委員会に所属。
Facebook:稲員稔夫

(後)

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