2024年03月30日( 土 )

中国経済新聞に学ぶ~中国の5Gユーザー年内に1億人突破へ(前)

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 現在、中国では5Gが加速度的に拡大し、予想を上回るペースで基地局も建設されており、端末接続台数は7月末に累計8,800万台に達した。ユーザーも年内に1億人を突破する見込みだ。2019年10月31日に5G商用化がスタートして以来、5Gと私たちの暮らしとの関わりがますます密接になっている。

5Gが少しずつ暮らしを変えていく

 新型コロナウイルス感染症の流行するなか、上海市が急ピッチで建設した「発熱病棟」では、5Gによる遠隔診療、5Gによる消毒作業、5Gでの輸送・診察ロボットの利用、5Gスマート遠隔モニタリングなど、5Gがさまざまな場面で応用され、市民の生命と安全を守った。

 浙江省寧波(ニンポー)の企業は、「5G+」による人とロボットの連動システム、5Gによる3Dスキャンなど12のプラットフォームによる「5G+スマート工場ソリューション」を通じ、これまではさまざまな現場に分散していた10の生産工程を、1つの「圧力鋳造ユニットアイランド」に集めた。場所や労働力も節約でき、さらに生産周期を短縮することもできる。稼働開始以来、同社は4,500万元(約6億8,821万円)のコストカットを実現した。

 5Gドローンによる田んぼの巡視では、これまで1日10ムー(約67アール)だったパトロール可能面積が、屋内にいながら1時間あたり40ムー(約267アール)以上に増加した。

5Gが私たちにどのような変化をもたらすか

 生産性を向上させるため、多くの工場ではスマート化に向けて改造が進めされている。その過程で、工場は数百個さらには10万個単位にもおよぶセンサーを設置することが必要になる。従来の有線方式ではこれほどの数を設置するのは困難だったが、5Gを利用することで課題の解決に向けたルートが生まれる。

 このことと同時に、5Gと視覚認識技術を連携し、生産ラインで管理、監督を正確に行い、問題が発見されればただちに調整を行うことで、製造ラインの良品率を高めることができる。

 医療分野では、5Gネットワークを通じてリアルタイムの4K/8K超高精細動画を送ることで、遠くにいる医師がまるで目の前にいるように患者の皮膚のキメ、傷口の程度などを詳しく検査できるようになる。また、異なる病院の医師が共同で患者に対して遠隔で共同回診をしたり、手術の現場でリアルタイムの指導を行い、専門家としてのアドバイスを行ったりすることもできる。こうすれば患者が診察のために多くの場所を移動するという苦痛が解消される。5Gと一連の新技術との連携は、デジタル経済などの未来の経済の発展を生み出す力になる。たとえば5Gによる工場のスマート化や、5Gと視覚認識技術、ドローン、車のインターネット(IoV)などとの連携などが考えられる。IoE(インターネットですべてのものをつなぐこと)を実現できる時代は、もうそこまできている。

(つづく)


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(後)

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