2024年04月18日( 木 )

歴史・交通・人をつなぐ結節点~海峡都市下関市のこれから(4)

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臨海部を中心に人や企業が集積

唐戸市場

 このように古くから交通の要衝として、そして関門海峡を臨む港湾都市として発展を遂げてきた下関市は、山口県内で唯一の中核市および中枢中核都市に指定されており、山口県だけでなく中国地方を代表する都市の1つとなっている。人口規模では、県庁所在地である山口市(19万4,195人)を上回る25万4,244人と県内1位。県全体の人口が134万3,155人であるため、下関市が県人口の約2割を占めている計算だ。

 また、それだけの人口規模を背景に、経済面でも県西部の中心的都市となっており、下関市に本社を構えている有力企業や、支店や支社などの主力営業拠点を置く大企業も多い。本社を構えている代表的な企業としては、中国・四国地方最大の金融機関グループの(株)山口フィナンシャルグループとその傘下の(株)山口銀行を始め、住宅関連機器メーカー大手の(株)長府製作所、不動産大手の(株)エス トラストや(株)東武住販、(株)REVOLUTION(旧・(株)原弘産)、食料品・飼料の製造販売大手の林兼産業(株)、日本国内および周辺国との貨客航路を展開するSHKライングループの母体である関光汽船(株)、県西部で路線バスを運行するサンデン交通(株)、県内の瀬戸内海側で都市ガス供給を行う山口合同ガス(株)などが挙げられる。

三菱重工業の造船所などが立地する彦島

 下関市の中心市街地は、竹崎町や細江町を始めとするJR下関駅周辺の「西部地区」と、南部町や中之町を始めとする唐戸エリアの「東部地区」の間を結ぶ国道9号沿いの約2kmの区間を中心に形成されている。この区間には、企業や金融機関の本支店が集中して立地しているほか、駅周辺には前出のシーモール下関を始めとした商業施設が集積。一方の唐戸エリアは、下関市の前身の赤間関市の時代から港町・宿場町として発展してきた場所で、現在も市役所や下関商工会議所などが立地するほか、ウォーターフロントエリアには海響館や唐戸市場などの施設があることで、観光名所にもなっている。

 ほかに市内でとくに特徴的な地区としては、新幹線駅の開業とともに副都心として一帯が新興住宅地や商業施設などの開発が進められてきた新下関駅周辺や、古い城下町や臨海部の工業地帯を擁する長府エリア、造船業や重化学工業、水産加工業などが集積している彦島などが挙げられる。05年の合併で市域は北側に広がったものの、依然として下関の中心部は関門海峡に面した臨海部の旧下関市のエリアだといえよう。

(つづく)

【坂田 憲治】

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