2022年07月06日( 水 )
by データ・マックス

第一生命が詐欺容疑で『実録 頭取交替』登場の元社員を刑事告発(1)

 生命保険大手の第一生命保険(東京都)は今月2日、西日本マーケット統括部徳山分室(山口県周南市)に勤務していた80代の女性元営業社員(特別調査役)が、客に架空の金融取引をもちかけて不正に資金を集めていたと発表した。被害を受けた客は少なくとも21人、被害額は計19億円に上るという。同社は山口県警周南署に詐欺容疑で刑事告発した。

 同社によると、この女性社員は10年ほど前から今年4月にかけて山口県内の自分の顧客を訪ね、30%の高金利が適用される「特別枠」で運用するなどと架空の取引をもちかけ、不正を続けていたという。

 1人あたりの被害額は数百万~2億8,000万円。今年6月上旬に客の1人から申し出があり、社内調査をして判明。同社は特別調査役として厚遇していたこの女性社員を7月3日付で懲戒解雇処分にした。同社は19億円のうち、一部を立て替えて被害者に返却しているという。広報部は「警察の捜査に全面的に協力し、全容解明に向けた調査、再発防止を図るべく真摯に取り組む」としている。

女性保険外交員(特別調査役)とは

 その女性保険外交員は『実録 頭取交替』に甲羅万蔵と親しい関係にある山上正代に間違いないと見られる。警察は氏名を明らかにしていないが、いずれ公表することになろう。

第一生命徳山営業部(10月3日著者撮影)

『実録 頭取交替』(2014年)の発刊経緯

 筆者は2012年3月22日からNetIB-Newsに経済小説「維新銀行~第一部 夜明け前(1)」の掲載を開始した。これが『実録 頭取交替』誕生のきっかけとなった。連載は2013年5月24日までの1年2カ月におよび230,311字の長編小説だった。
 データ・マックス社は発刊経緯について、以下のように説明している。

 「維新銀行」の著者は仮名の「北山譲」だったが、執筆者の実名は当社顧問の浜崎裕治氏である。当社社長・児玉直と浜崎氏は30数年来の親友であることから、この「維新銀行」を何とか小説として出版しようと児玉が動き、講談社からの発刊が決まった。
 ただし、条件が付いた。主人公が堀部正道では面白くないので、主人公は甲羅万蔵に、また1冊の本とするため、8万字程度に書き換えることを求められた。
 そのため浜崎氏は6カ月かけて「維新銀行」を書き換えた後、いくらかの修正をし、題名も「実録 頭取交替」に変更され出版されることになったという。その後、2017年8月17日に講談社α文庫から文庫化されている。

まとめ

 『実録 頭取交替』出版は一定の反響を呼び、筆者は毎日新聞(地方版)の取材を受け「ライターで活躍する元銀行マン」と紹介された(2015年9月22日)が、山上正代と山口銀行との縁はその後も切れていなかったものと推測される。30%の配当を3年続ければほぼ元本に近づく。破綻することは自明の理である。

 今振り返れば、そのときに山上正代との縁をしっかりと切っておれば、こんな事態は発生しなかったのではないだろうか。
 今回発覚した詐欺事件は第一生命だけでなく、山口銀行・もみじ銀行・北九州銀行を傘下におく山口FGにとっても大きな打撃を受けることになりそうだ。

(つづく)

【(株)データ・マックス顧問 浜崎裕治】

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