第一生命が詐欺容疑で『実録 頭取交替』登場の元社員を刑事告発 (23) 正下と田中、2人の晩節
第一生命保険(東京都)は7月2日、西日本マーケット統括部徳山分室(山口県周南市)に勤務していた80代の女性元営業社員が、顧客に架空の金融取引をもちかけて不正に資金を集めていたと発表した。被害を受けた顧客は少なくとも21人、被害額は計19億円に上るという。同社は山口県警周南署に詐欺容疑で刑事告発している。
その女性元営業社員とは、元特別調査役だった正下文子(89歳)。今は、周南市の自宅を離れ、娘がいる兵庫県芦屋(関西を代表する超高級住宅地)近くにある病院の特別介護老人ホームに入っているという。
被害者によると、正下は周南市に住んでいたころ、毎月1日には自宅からほど近い花岡福徳稲荷社(下松市)へのおまいりを欠かさなかったという。そのときの心境について想像するに、「詐欺事件がばれないように」と神頼みをしていたのかもしれない。また、正下は娘が信者である「獨鈷山 鏑射寺」(神戸市北区)にも、おまいりをしていたという。このお寺には「懺悔の心情を吐露して」罪を免れようとしていたのではないかと想像する。
<むすび>
一方、正下に騙された山口銀行の田中耕三特別社友(94歳)も、今月末までには下関市の社宅を離れ、周南市の自宅近くにある娘の家に帰る予定だという。今後、晩節を汚した2人は暗い日々を送ることになりそうだ。
(つづく)
【(株)データ・マックス顧問 浜崎裕治】