2024年04月25日( 木 )

コロナで海外在住中国人の「逆海外通販」が盛んに

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 中国人の強大な購買力や海外通販に対する意欲はもう珍しい話題ではなくなったが、多くの中国人が国産品(中国製品)をそれほど重視しないでいる間に、中国から海外通販で商品を購入する海外在住の中国人や外国人がますます増えている。とくに新型コロナウイルス感染症に後押しされるかたちで、「逆海外通販」が日に日に盛んになっている。

 「逆海外通販」の発展が1杯のタニシ麺(中国名:螺蛳粉)から始まったとは、おそらく多くの人には想像もつかなかったことだろう。タニシ麺といえば、好きな人は1日でも食べないとまるで何かが欠けたように物足りなく思うし、嫌いな人はちょっとその匂いを嗅いだだけでも吐き気がするものだ。

 タニシ麺が好きな中国人留学生は、外国にいるときでもあの味が忘れられない。そこで、最初は親戚や友人に送ってもらっていたが、その後、中国のショッピングサイトを通じ国際宅急便を利用する「逆海外通販」のかたちで購入するようになった。そして今、フランスでは中国人が経営する中国食品スーパーに、さまざまなタニシ麺が並んでいる。

 外国にいる中国人は故郷の味をしばしば懐かしみ、その味の記憶を脳裏から消し去ろうとしても消すことはできない。そこで、多くの人が中国のショッピングサイトで自分の好きな商品を選び、商品はさまざまな物流・宅配便ルートを通じて今住んでいる外国の各都市まで届けられる。今回の突如として襲来し、長引いている感染症により、海外在住中国人のネットショッピング需要が爆発的に増加し、この需要に対応する物流・宅配便、EC企業もますます活況を呈している。

 10月初め、フランス在住の中国人の冬戈さんは微信(WeChat)のモーメンツでこのようなメッセージを発信した。「感染症の間、アリエクスプレス(アリババグループの全球速売通)で『碧螺春』や『雀舌』などの中国茶を買って、お茶好きにとって焦眉の急であった問題を解決しました」。冬戈さんは「逆海外通販」を利用する大勢の海外在住中国人の1人で、その息子はさらに頻繁に「逆海外通販」を利用しているという。

 フランスに留学中の小観さんはビジネスの才覚があり、普段から「逆海外通販」を手がけてきた。小観さんは、「自分が普段扱っている『逆海外通販』の商品で一番人気があるのは、中国のさまざまな軽食やおやつだ。中国にはおいしいおやつがたくさんあっていろいろ選べるけれど、外国にいると食べたいと思っても手に入らない。そのため『逆海外通販』では、各種の軽食・おやつがかなりの部分を占める」と話す。

 コロナがフランスで拡大すると、連花清瘟カプセルが「逆海外通販」の人気商品になった。また中国製の小型家電製品、携帯電話のネットワークパーツなども人気商品だ。実は、海外在住の中国人だけでなく、外国人のなかにも「逆海外通販」の仲間入りをした人たちがいる。

 日本、韓国、欧州、米国にいる人々も中国製品を盛んに購入する。たとえば世界的によく売れているラー油系調味料「老干媽」は、ラベルの女性がまるで「マリア様」のようにあがめられ、今では貴重な「贅沢品」だ。米国では1瓶70ドル(約7,300円)もするがすぐに売り切れるという。中国ではありふれたスパイシーなスナック菓子の「辣条」、痔の薬の「馬応竜薬膏」、虫除け・かゆみ止めの「六神花露水」などが、中国にきたことがある外国人にも、きたことがない外国人にも、東洋の大国の神秘的な魅力を感じさせる商品になっている。


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