2022年06月27日( 月 )
by データ・マックス

第一生命が詐欺容疑で『実録 頭取交替』登場の元社員を刑事告発 (32)元役員の懸念が的中

 筆者の『実録 頭取交替』(講談社)に登場する第五生命の保険外務員の山上正代が金融詐欺事件を起こした第一生命の正下文子(89歳)であることがわかり、『実録 頭取交替』が再び注目を集めることになった。

 それを受けて、講談社の企画部から13日に、「第一生命の事件もやはり影響があったようで、『実録 頭取交替』の売上が伸び、些少ですが1,000部の重版が決まりました。発売は12月初旬の予定です」とのうれしいメールが筆者の手元に届いた。

 筆者は13日、家を留守にして島根県津和野町にいた。田中耕三が山口銀行の頭取であったときの役員夫人(以下、元役員夫人)から、法事で島根県に来るという連絡を受けていたため、妻と一緒に車で迎えに行っていたのだ。

 筆者が大阪支店に転勤したとき、同役員が支店長であったことから縁が生まれた。同役員の葬儀に参列して以来、元役員夫人とは十数年お会いしていなかったため、自宅に招き、食事をしながら昔話に花を咲かせた。そのなかで、元役員夫人は「主人が第一生命 (正下文子) の保険勧誘の件を心配していましたが、やはり事件になりましたね。今は(正下は第一生命の営業職員として)関西で働いている娘のもとに身を寄せているそうですね」と、寂しく語ったことが印象的であった。

 第一生命は10月2日、女性保険外交員の金融詐欺事件を発表。第一生命は7月3日付けでその保険外交員・正下特別調査役を懲戒解雇し、あわせて詐欺容疑で山口県警周南署に刑事告発している。その後、第一生命は、被害者が3人増の計24人、被害額が9,200万円増の計19億5,100万円になったと発表。今後も調査が進むにつれ、被害者数、被害額はまだまだ増加することになりそうだ。

<まとめ>
 今回の事件は、被害者数・被害額が多大であること、被害者が高齢化していること、さらに最近、全国各地で高齢者への詐欺事件が頻発して社会問題となっていることもあり、被害者の刑事告訴を受理している山口県警も逮捕して取り調べる強制捜査、もしくは逮捕せずに任意の取り調べをする任意捜査に踏み切るタイミングを「慎重」に見計らっているようだ。

(つづく)

【(株)データ・マックス顧問 浜崎 裕治】

(31)
(33)

関連記事