2022年06月30日( 木 )
by データ・マックス

第一生命が詐欺容疑で『実録 頭取交替』登場の元社員を刑事告発 (33)被害者弁護団が第一生命の責任説明と全額弁済を要求

 第一生命保険の元保険外交員・正下文子特別調査役が顧客から保険金を詐取したと刑事告発されている事件をめぐり、被害者の弁護団が17日、東京都内で会見を開いた。弁護団は第一生命の責任を追及するとともに、全額の被害弁済を求めた。

 会見には被害者も同席し、女性被害者は母親の死亡保険金をだまし取られたとして、正下被疑者および第一生命に対し全額返済と説明責任を要求した。

 山口地方裁判所周南支部において、同県内の被害者が正下被疑者および第一生命に対し損害賠償を求める訴訟が進んでいるが、第一生命は「元社員個人の詐欺行為であり、知り得る立場にない」と訴えに対して棄却を求めている。
 一方、第一生命は被害者に対し被害額の3割を弁済するとしているが、弁護団の山口広弁護士(東京共同法律事務所)は17日の会見において、「第一生命は被害者に対して、直ちに不法行為責任および使用者責任に基づき、全額の被害弁済を行うべき」と主張した。

 今回の詐欺行為は、同じく第一生命の営業社員である正下被疑者の娘の吉田美智子が6月、第一生命ホールディングスの副社長に相談したことがきっかけとなり発覚したことが明らかになった。副社長への相談後、コンプライアンス部門の調査に基づき、正下被疑者の懲戒解雇が決まった。

 第一生命はそれ以前にも正下被疑者の問題に関して情報を得ていたが、対応していなかった。当連載で述べているように、正下被疑者が特別調査役という肩書をもち、社内でも特別扱いを受けていたためかもしれない。
 しかし、第一生命が早い段階で本腰を入れて調査を行っていれば、被害がこれほどまでには大きくなっていなかったと考えられる。弁護団が指摘する第一生命の不法行為責任および使用者責任が訴訟においてどう判断されるか注目される。

 昨日の時点で判明している被害者は24人となっている。今後の訴訟を見据え、被害者同士の情報交換、共同での弁護団の結成、より適切な弁護士の選定、情報の発信などを行っていくべきではないか。

【茅野 雅弘】

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