2024年04月18日( 木 )

アビスパはフアンマ弾で快勝、昇格へ着実に歩み進める~福岡1-0大宮

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 サッカーJ2リーグのアビスパ福岡は29日、ホームのベスト電器スタジアムに大宮アルディージャを迎え、第37節の試合を行った。

 前日29日の試合では、V・ファーレン長崎が勝利したため、アビスパはこの日の試合開始時点で暫定3位。この試合に勝たなければ、昇格圏から転落することになる。昇格、そしてJ2優勝を勝ち取るためにも、負けられない一戦となった。

 アビスパの先発メンバーには、GKセランテス、FWフアンマ・デルガド、FW遠野大弥、MF増山朝陽、MF前寛之、DFエミル・サロモンソンらが名を連ねる。このところゴールを挙げていないFWフアンマにとっては、古巣・大宮に恩返しの一撃を期待したいところだった。

 これまでアビスパの得点源となってきたのが、DFサロモンソン・MF増山の縦のライン。サロモンソンが巧みなボールさばきと的確なロングパスでチャンスをつくり、増山が快足を生かして敵陣に切り込むというものだが、ここ数試合は対戦相手の対策もあって得点機を得られていない。この試合、右サイドの2人がどのようにゲームに絡むのか、と注目が集まった。

サイドから突破を図るDF輪湖
前半、エリア内に侵入しクロスを上げるMF増山

 前半、試合は激しい立ち上がりを見せる。3分には大宮が攻め込み、MF黒川淳史がシュートを放つがこれは枠を捉えられなかった。4分には、大宮のコーナーキックからMF小野雅史が強烈なミドルシュート、しかしここはGKセランテスがしっかりと弾き出す。7分にはアビスパにチャンス到来。右サイドでボールキープしたMF増山が挙げたクロスにMF石津大介が合わせるが、これは大宮GK笠原昂史の正面に飛び、得点ならなかった。

 前半はボールを保持してチャンスをつくろうとする大宮と、パスカットからのカウンターを狙うアビスパががっぷり4つに組み合い、お互い譲らない展開となった。

 試合が動いたのは後半。56分にMF松本泰志が負傷、交代でMF重廣卓也が入る。その直後の58分、MF前寛之から中央でボールを受けたMF増山が右サイドを見ると、DFサロモンソンが上がってくる。増山が走るサロモンソンの前にパスを送ると、ワンタッチして余裕をつくり、サロモンソンがゴール前を一瞥。走りこむFWフアンマを確認して送ったクロスボールが、188cmの長身フアンマの頭にドンピシャリ!この上ないかたちでゴールを叩き込んだ。

見事なクロスでアシストを決めたDFサロモンソン
決勝ゴールに吼えるFWフアンマとMF石津

 雄叫びを上げるフアンマに、MF石津、MF増山、クロスを送ったDFサロモンソンらが次々に飛びつき、歓喜を爆発させた。ここ数試合で勝ち切れなかったアビスパにとって待望の先制点、しかも得点に見放されていたエースFWの一発だ。

 70分にはエリア内でフリーになった大宮MF菊地俊介が強烈なシュートを放つが、GKセランテスが横っ飛び、右腕1本で好セーブを披露。雄叫びを上げたセランテスは、駆け寄ったDFサロモンソンとグータッチを交わした。

 その後は大宮が途中出場のイッペイ・シノヅカを経由した攻撃、アビスパはFWフアンマ、途中出場したFW山岸祐也が身体を張ってチャンスをつくるが、お互い得点には至らない。アビスパはMF増山に代えてDF藤井悠太を投入し、DFを5枚にして逃げ切りを図る。試合はそのままタイムアップを迎え、アビスパ福岡が1-0で見事に勝利を飾った。

 この日、首位の徳島はツエーゲン金沢と対戦。3-0と一方的にリードするが、あきらめない金沢の反撃に遭い、3-3の同点にまで追いつかれる。しかし徳島FW垣田裕暉が決勝点を挙げ、4-3で辛勝した。

緊迫した試合中では見られないリラックスした表情も
攻守の要、GKセランテス・FWフアンマ・DFグローリ

 昇格・優勝争いは、徳島・福岡・長崎にほぼ絞られた。残り5試合、落とせる試合は1試合もない。徳島も首位の優位性は感じていないだろう。アビスパとしては、上位3チームのなかで得失点では最も劣る以上、勝ち点で差をつけるしかない。次節は12月2日にアウェー岡山戦、そして今週末12月6日はホームで金沢戦。金沢の粘り強さは徳島戦でも目にしたばかりだ。とにかく1試合1試合、勝つしかないゲームが続く。週末の金沢戦は、ぜひベスト電器スタジアムに足を運んで応援しよう。

【深水 央】

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