2022年07月02日( 土 )
by データ・マックス

第一生命が詐欺容疑で『実録 頭取交替』登場の元社員を刑事告発 (35)山口銀行の田中耕三特別社友が退任

 【表1】を見ていただきたい。特別社友を退任した田中耕三氏の役員履歴である。1970年10月に本店営業部長に就任。それから5年弱経った75年5月、取締役本店営業部長に昇格。以後、取締役徳山支店長、常務取締役徳山支店長から常務取締役山口支店長に就任。専務取締役山口支店長に昇格。その後東京駐在専務、専務取締役営業本部長を歴任し、92年6月に取締役頭取に就任。取締役頭取を10年間務めた後、取締役相談役ではなく、役職のない相談役に就任。それから15年間毎日出勤。役員並みの報酬、専用個室、運転手付きの専用車および社宅を与えられていたという。取締役であれば株主総会の目が光っているが、ただの相談役であれば任期を問われることもなく、「影の頭取」として15年余り、91歳まで君臨していた。

 2017年10月に相談役から特別社友となり、出勤しなくなった。山口銀行および山口FGの役員たちが、ほっと胸を撫で下ろした姿が目に浮かぶようだ。
 筆者は田中特別社友が今年10月末に社宅を引っ越す準備をしているところを目撃しており、11月1日には引っ越しを終えたことを後日確認している。

<まとめ>
 それから1カ月経った本日午前10時過ぎ、山口銀行秘書課に「田中特別社友は社宅を引き払っているが、まだ特別社友なのですか。」と問うと、「社宅を出たからではなく、11月末付で特別社友を返上したいと先方から申し出があり、双方合意のうえ、特別社友を返上してもらうこととなりました。」との回答があった。
 まさに絶妙のタイミングであったようだ。秘書課が「辞任の申し出」ではなく、返上の申し出」と言葉を選びながら話したことから、田中特別社友の影響力がなお残っていると感じざるを得なかった。

 つづけて、「特別社友はどんなことをしていたのでしょうか。」と問うと、「特別社友の肩書で社外団体の会合に出席されるなどしていました。」との回答があった。そこで、その際の旅費などの交通費はどうなっているのでしょうか。」と問うと、「経費は個別に支払っています」と回答があったが、しばらく間をおいて、「その件については調べて、のちほど電話させていただきます。」と言って電話を切った。
 小一時間経った正午前に電話があり、「かかった経費は内部規定通りの支払いをしています。また社宅は貸していました。」との回答があった。第一生命正下文子前特別調査役と田中特別社友との関係が連日報道されており、上司に回答を相談したものと見られる。

 山口銀行からの回答を待つ間、下関にいる同行OBから携帯に電話があった。「下関では知人に会うと第一生命および田中特別社友との関係がすぐ話題にのぼる。同窓と飲んだ折、2人が山口銀行のO支店の支店長から勧められ正下元調査役と契約して1億円の生命保険に入っていたことがわかった。ここで2人もいるのだから、ほかの支店でも、多くの取引先が生命保険に加入させられたのではないだろうか。」と語ったが、今後も第一生命と山口銀行との癒着の話は尽きることはないようだ。

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(了)

【(株)データ・マックス顧問 浜崎裕治】

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