2024年04月19日( 金 )

(株)ザ・クイーンズヒルゴルフ場 民事再生で異例の代表者経営権はく奪~管財人主導による再建へ

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 (株)ザ・クイーンズヒルゴルフ場は、12月7日に福岡地裁より民事再生手続き開始決定を受けた。負債総額は19年7月段階で約168億円。

 同社は、経営権をめぐる訴訟を経て昨年12月、創業者の長男である田原司氏が代表に就任した。同月にクラブ会員2名が民事再生手続きを申請したが20年3月に棄却された。新代表は当初、クラブハウスの改修や労働環境の整備などを謳う文書を会員に送付しクラブ価値の向上を図る意思を示していた。しかし、ディスカウントクーポンやアプリの発行などで一部クラブ会員から批判が噴出。今年6月に複数のクラブ委員が改めて民事再生手続きを申請した。

 この間、大口債権者・九州債権回収は静観していていたが、10月に同社も民事再生手続きを申請。同時期に2つ民事再生手続きを申請される事態となっていた。代表はスポンサーが存在するとして九州債権回収向けの債務元本を年内に払う意思を見せ、自主再建に意欲を示していたが、代表の経営からの退陣を求める旧クラブ理事を発起人に「クイーンズヒルゴルフ場を守る会」が発足。会員向けに民事再生認可へ向けた債権者の過半数を目標に同意書を集める動きが本格化していた。

 通常、民事再生手続きでは監督委員を選任し代表者による自主再建を認めるが、今回裁判所が債務者の業務や財産を管理する権限を有する管財人を選任したことで、代表は経営権を失う。ひとまず民事再生を申し立てた会員・九州債権回収の望みが認められた格好だが、今後選定されるスポンサーがどこになるかが注目される。

<COMPANY INFORMATION>
代 表:田原 司
所在地:福岡県糸島市富838
設 立:1990年12月
資本金:2,000万円
業 種:ゴルフ場運営
売上高:(19/7)7億9,000万円

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