第一生命の保険金詐欺(3)~問われる山口銀行の対応
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年末を控え昨日、6年ぶりに『実録 頭取交替』の書類整理をしていると、偶然にも1冊のノートに目がとまった。山口銀行宇部支店の「支店長専用連絡ノート」であり、支店長不在時にかかってきた取引先からの電話について記録したものだ。
【表1】を見ていただきたい。「支店長専用連絡ノート」から抜粋した第一生命の正下文子外交員から支店長宛てにかかってきた不在受電回数と要件の推移表である。
~この表から見えるもの~
◆当時の宇部支店長は故広田秀夫取締役である。宇部支店長の在任期間は1998年6月~2000年6月までの2年間。この「支店長専用連絡ノート」は1999年1月12日から始まり、次の末廣馨取締役宇部支店長が常務取締役山口支店長に昇格し、後任に引き継ぎをした2001年6月30日の押印を最後に終わっている。
ページを開くと1ページに正下の名と第一生命の徳山営業部の電話番号だけが記載されており、取引先との不在電話の記録帳ではあるが、「正下専用の支店長連絡ノート」と言っても過言ではないようだ。
・「支店長専用連絡ノート」は、支店長不在時に正下特別調査役から電話がかかってきたときの記録ノートであり、在席中にかかってきた件数はこの数倍と思われ、緊密に連絡を取り合っていたと推測される。◆1998年7月31日を見ていただきたい。支店長不在であったがゆえに、新規2社の生命保険勧誘に支店長が協力したという動かぬ証拠となった。
・11月4日、支店長不在時に「先日の保険の成約の御礼のTEL。」となっており頻繁に紹介を受け新規の保険契約をしているのがわかる。
・その5日後の11月9日、顧客が保険の中途解約を申し出、何とか支店長に食い止めてもらいたいと動いているのがわかる。<まとめ>
上記の通り、第一生命の正下外交員(後に特別調査役となり、特別扱いを受ける)と広田宇部支店長は緊密な保険勧誘が田中耕三頭取に認められ、常務取締役徳山支店長、専務取締役徳山支店長まで務めることになった。山口銀行との癒着こそが、あとの金融詐欺事件を引き起こした最大の要因と言っても過言ではないのではなかろうか。筆者は末廣取締役宇部支店長から引き継ぎを受け取締役宇部支店長となったが、正下専用となっていた「支店長専用連絡ノート」を廃止し、本来の取引先との「支店長専用連絡ノート」に切り替えたことを補記しておきたい。
(つづく)
【(株)データ・マックス顧問 浜崎裕治】
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