2024年04月20日( 土 )

日立特約店の安定性を基盤に 多様な事業を推進し関わる人たちを幸福に

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九州機電(株)

北九州・福岡市博多に拠点を構え 九州・中四国に広がる営業エリア

 創業は1931年というから、国内でも老舗の総合技術商社の1つに数えられるだろう。現社長・西賀徹氏の曽祖父の弟が始めた会社だという。すぐに日立の特約店となり、その資本を受け入れながら着実に成長してきた同社だが、55年に西賀氏の父親が入社。すると、企業合併などを経て72年に現在の九州機電(株)に。爾後、資本をすべて買い戻し、完全独立系の総合技術商社として歩みを進めてきた。父の代で日立の資本から完全に脱却し、企業としての在り方が様変わりしたことを考えれば、現社長・西賀氏は実質的な2代目社長と言っていい。「社長の椅子に座った順番でいえば、私は4人目ですが、少なくとも父はそう考えていたようです」。西賀氏はそう言って屈託のない笑顔をみせる。

 同社は北九州、そして福岡市博多区に拠点を構えるが、その営業エリアは九州そして中四国と広域にわたる。業務の柱は工場向けの電気機械設備やビル設備の販売、施工、メンテナンスだ。それぞれの分野に専門のスタッフをそろえ、日立のシステム設計力と最新の技術を駆使することで効果的な省エネ化、自動化システムを幾多の工場に提案してきた。具体的には最新の省エネコンプレッサやクレーンなどといった工場用設備、工場向けの大型LED照明などの導入だ。

 また、熟練した設計・積算スタッフが、それぞれの建物に適した省エネかつ低コストとなる設計計画を提案していく。しかも保守・メンテナンスまですべて行うから顧客の信頼は厚い。

上空から本社屋を見下ろす。北九州市小倉北区の工業地帯に九州機電はある
上空から本社屋を見下ろす。北九州市小倉北区の工業地帯に九州機電はある

営業から設計施工、メンテナンスまで 幅広く人材をそろえてきめ細かく対応

 グローバル化が加速する製造業において、市場ニーズへのスピーディーな対応は重要な課題の1つだ。当然、IoT(Internet of Things )やm2M(Machine-to-Machine)関連機器に対するニーズは日増しに高まっている。製造業の現場と経営の現場、そしてエンドユーザーに至るまで、用いられるあらゆるデータをつなぎ、統合・分析・可視化するスマートファクトリ――。同社はこの分野でも日立グループとタッグを組み、そのシステム構築を支援する業務にも力を入れていく。

 また、独立系技術商社としては、ホームセンター・販売店への電動工具・産業機器の卸売といった事業も手がけ、さらには京セラの技術代理店として産業用太陽光発電の販売から設計、施工、メンテナンスまで行う。売電価格の低下とともに設置案件は減少したものの、メンテナンス業務は変わらず好調だ。

 このようにさまざまな事業を推進する同社だが、技術商社としてもっとも自信をもつのはその営業力だ。取引先から「すべてにおいて反応がいい会社」と評されるが、その理由について西賀氏はこう語る。

 「顧客満足度を向上させていくことを、常に目標に掲げています。お客さま第一を念頭に、どう行動すれば皆さまに満足していただけるかを全社員が一丸となって考えます。高く評価されていることは、その積み重ねの結果に他なりません」。付け加えるなら、営業から設計施工、メンテナンスまで幅広く優秀な人材をそろえ、きめ細かく対応できる体制を整えていることが、同社の強みである。

結婚祝い金100万円を筆頭に 魅力的な制度をふんだんに設ける

結婚祝い金100万円の授与。この制度で若手社員たちの結婚が相次いでいるという
結婚祝い金100万円の授与。
この制度で若手社員たちの結婚が相次いでいるという

 同社は、そんな社員たちの頑張りに応える制度も多数用意している。とくに目を引くのは、社員の結婚に祝金100万円を贈る制度だろう。さらに子どもをもつ社員には、その子が満18歳になるまで1人につき毎月2万円の手当を出しているというから、この話を聞いた部外者は相当に羨ましく感じるのではないだろうか。

 この驚きの制度について西賀氏は、「少子化が長く言われて進展しないなか、中小企業として何かできないだろうかと考えたとき、この制度に行き着きました。政府の取り組みを待つことなく、若い社員たちの士気を高めるキッカケにしたい。そんな気持ちからです」。実際、この制度をスタートして以来、結婚する社員が一気に増えたそうだ。また、同社では人生100年時代を見据え、定年制を撤廃したという。まだまだ働きたい。そう考える人材が、その思い通りの人生を送ることができる。

 西賀氏は、「当社に関わるすべての人たちを幸せにしたい」というが、この思いは同社の経営理念のなかにもはっきりと謳われているという。しかも文言にするだけでなく実際に行動で示しているのだから、同社の本気度がわかる。「もちろん簡単なことではありません。しかし、私が努力することでこのような取り組みを実践していけば、皆が幸せになる。また、私も経営者としての存在感を実感できるし、会社の発展につながっていくと考えています」。

 常日頃からそうしたことに知恵を絞り、人に喜んでもらえることが好きだと語る西賀氏。このほかにも、コアタイムを設けないフレックスタイム勤務を採用したり、プライベート充実させるための年間休日数123日など、労働環境の充実に積極的に取り組む。

 社員を大事にするけれど、社員にとって甘い会社には決してしない。そのことが肝心だと念を押す西賀氏。日立の特約店としての抜群の安定性を基盤に多様な事業を推進、そして取り巻く人々を幸福にする。採用も新卒・中途ともに積極的な同社だ。職場として考えるなら、じつに理想的な環境である。


<COMPANY INFORMATION>
代 表:西賀 徹
所在地:北九州市小倉北区西港町92-5
設 立:1972年4月
資本金:5,000万円
TEL:093-591-2333
URL:https://www.kyushu-kiden.co.jp


西賀 徹 氏<プロフィール>
西賀 徹
(さいが とおる)
1967年12月23日、下関生まれ。広島大学経済学部を卒業後、大手ゼネコンで3年半勤め、九州機電(株)に入社。営業の現場をいちから経験した後、39歳で現在の代表取締役に就任。趣味は筋トレ。何事であれコツコツと続けることが性に合うという。筋トレは続けることが成果となって現れるからいいと語る52歳。

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