2022年05月26日( 木 )
by データ・マックス

2020年振り返って~地球滅亡への序章か、再生への可能性は(2)変わらない組織は必ず消滅する

すべてがわが勝手

 600年周期の世界大激変の年であったと当連載(1)で触れた。神はコロナにその先兵役を命じた。ウィズコロナの戦略が功を奏している企業、国家は発展している。一方で、コロナに飲み干されているケースのほうが多い。致命的な打撃を浴びて、存在そのものが跡形もなくなりそうである。居酒屋に始まって観光業、鉄道業などと広範囲にわたって消滅するリスクを背負った組織・業種は数限りなくある。

 誰もかれもが、自身に降りかかってこないと物事の本質を理解できない。すべてがわが勝手なのであり、トランプ大統領だけがわが勝手なのではない。ある新聞社の例を取り上げる。「どうして脳のないやつが社長に就くのか?」と部長の肩書の記者に尋ねた。「誰もが会社はいずれ行き詰まると考えており、ババを引きたくないと考えているやつらばかりだ」と回答してくれた。いやー呆れた、驚いた。

 記者として社会のため、市民のためにと使命感を抱いて一端の論評をする。ところが、自身に迫ってきているリスクには目を閉じる。腹のなかではこう勝手に計算している。「会社はいずれ潰れるであろうが、自分の退職金、年金までは保証されるであろう」と勝手で都合の良い、甘い計算を行うのである。あと5年、10年もすれば高齢の購読者層が激減し、新聞の存在が消失するのが確実であると認識してのようである。このような新聞社は早くコロナから洗い流され、殲滅されることを願う。

第一生命詐欺師老婆の上前をはねる山口銀行支店長たち

 第一生命の正下文子特別調査役(89歳)の詐欺事件はこのNet I・B Newsで連日、報道してきた。当時、山口銀行頭取であった田中耕三氏の支援を受けて、同行行員たちへのセールスアタックを大目に見てもらっていた。「だからこそ正下は驚異的な成績を挙げていた」とみられていたのだが、真相は根が深かった。

 山口銀行母店(本店営業部、岩国、徳山、山口、宇部)の部店長たちは、業務時間内にこぞって第一生命保険のセールスに奔走していた。田中頭取の「覚えをめでたくする」ことだけが目的ではない。今から思えば、正下の販売コミッションの上前をはねることも目的であったとの推測が成り立つ。本当に腐っていた銀行であった。不幸なのは山口銀行の改革が中途半端であったことである。

 2002年、田中頭取から田原鐵之助氏へ交替した。田原新頭取は銀行改革に着手しようとしたが、前任者の逆鱗に触れて2年(04年)で退任を余儀なくされた。この時点で正下と田中氏の関係、山口銀行との不明瞭な癒着は一部のマスコミからたたかれたが、批判の声は水面下に沈んでしまった。金融庁の裁定・処理はいかなるものであったか。もみじホールディングスを吸収させる制裁を下したことである。こんな中途半端な処置が、正下の被害者24名・被害総額19億5,100万円(20年12月20日時点での確定分)の詐欺事件を招来した。

田中耕三の影響力にひれ伏した吉村猛頭取

 216年6月、吉村猛氏が山口銀行7代目頭取に就任した。56歳の若さであった。取材でストレートに尋ねた。「90歳になられた田中氏の相談役の肩書を外して社宅から撤退させたらいかがですか?」と提言した(田中氏は17年10月1日から特別社友の肩書を使い、社宅の利用が許されていた。今回の正下氏による第一生命詐欺事件発生後の11月初めに社宅を引き払っている)。それまで滑らかに答えていた吉村頭取は言葉を詰まらせていた。

 筆者も無知であったかもしれない。当時、90歳の田中特別社友と56歳の吉村頭取との間に上下関係が維持されているとは想像もしなかった。その後、調べてみて判明した多くのことが明るみに出てきた。田中頭取時代に吉村氏はゴーストライター役をこなして、田中氏の「覚えがめでたい」存在であることを強固なものとした。行員としての後半戦には徳山支店、東京支店へと転勤重ねたが、大半の時期は本部暮らしだ。田中頭取と公私にわたる関係構築の機会は多くあったのであろう。

 となると、「頭取抜擢は支店の業績などの評価でなく、気心知れた者から抜擢されるのか!加えること、吉村頭取は東京大学卒業という学歴である。世間体は良い。この程度で頭取のポストが得られるのか」と憶測するのである。どう考えても信じられない。オーナーでもない94歳になる特別社友・田中氏へ媚を売り、己の権勢を固める必要があるのか。普通の民間企業ではとっくに潰れていたはずである。

 改革の自力更生がなされなければ飲み干される。04年、山口銀行内で改革派が潰された時点では銀行業はまだ優位性を保っていた。それゆえに中途半端な解決策で収めることができた。しかし、臭いものに蓋を閉めた弊害が今となって100倍返しで跳ね返ってきており、同行は追い込まれている。警察の調査が進展すれば最悪、「銀行関係者からも逮捕者が出るのでは」とささやかれている。そのような事態になったとき、金融庁は16年前に行った、「もみじ銀行を傘下に置け」というような愚かな選択を繰り返すことはしないであろう。

 今や金融機関はコロナ時代の斜陽産業の筆頭格である。経営能力のある人材にしか銀行経営はできない。「覚えめでたし」の人物では経営は務まらないことは明白だ。株の相場も低迷中である。筆者が金融庁担当者であれば、「広島銀行の傘下に下れ!」と申し渡す。山口銀行という名は消してもよいのではないか!それだけ銀行経営の将来は真っ暗闇である。そのくらい金融庁から制裁を受けてもよかろう。

 当社顧問・浜崎裕治が悔し涙を流す。「我々、改革派の政権がわずか2年で倒された。この無力さが現在の詐欺事件を招いてしまった。被害者の方々には申し訳ないと謝るしかない」。コロナ襲来の荒波を上手に乗れるか、飲み干されるか、今後の行方が注目される。

(つづく)

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