2022年05月24日( 火 )
by データ・マックス

第一生命19億円詐欺事件の闇(5)~正下文子・吉田美智子の母娘の心理は?

 当サイトにて連載する、第一生命保険西日本マーケット統括部徳山分室(山口県周南市)を舞台にした架空金融詐欺事件では、当時80代の元営業社員(元特別調査役)の正下文子が、架空の金融取引を顧客にもちかけて不正に資金を集めていた。判明した被害総額は、約19億円。
 当事者である正下の動向に注目が集まるなか、「私もある意味だまされました」と名乗り出た、関西地方在住の第一生命契約者に取材を行った。

 第一生命の契約者である女性Aは、正下文子について下記のように語った。

「正下の長女である吉田美智子さんは、『母はすごいのです。営業成績が常に社内トップクラスで、会社からも高い評価を得ております』と正下さんについて語っていたことを思い出します。

 正下さんに13年前にお会いしたとき、『先生は神さまです。先生ありがとうございます』と初対面ながら上品な佇まいで話されておりました。確かに嫌味もなく、感じの良い話し方で、弁が立つというのが感想です。

 山口銀行の頭取であった田中耕三氏の懐に入り込んで、田中氏が有する人脈を含めたあらゆるルートを最大限に利用したと聞いております。田中氏と正下さんがどんな関係であったかはわかりませんが、上品な話し方で初対面の私にも好感を抱かせた人であり、営業における対人スキルも優秀であったことは想像できます。

 最高年収は1億円であったとされるなか、バブルが崩壊して正下さんの営業成績も不振となり、田中氏へ提供されたとする資金も厳しくなってきた。田中氏への資金提供のために、バブル崩壊後に詐欺を始めたといわれています。正下さんはいつ、どのように、どのくらいの資金を田中氏に供与したのでしょうか。その詳細は、当人しか知るよしもないですが…」

 また、Aは吉田について、下記のように回想する。

「以前にお話しした通り、手紙が届いた後に吉田さんから電話があり、吉田さんと話しました。吉田さんは、私の営業担当者が吉田さんから別の担当者に変わることを話し、仕事が続けられない可能性があることもほのめかしてました。

 吉田さんは、すでに第一生命を退職しているのか、するのか…。連絡をくれた知人は、『正下・吉田とも逃げているのだよ!出てこないだろう…』といいます。

 吉田さんはおそらくすべて知っているはずです。なぜなら例の借用書の保証人に名を連ねています。正下さんが勝手に記す訳がなく、吉田さんも同罪ですよ!

 正下さんは、『正下文子死亡の折りもご迷惑はかけません』と一筆を入れたうえで、特別枠と称して『30%の高金利で運用する』と顧客にもちかけて騙していたのでしょう。吉田さんという実の娘を保証人にしてまで…。30%の利回りなんてあるはずもないことです。正下さんが、巧妙な話術で信用させて騙すなんて思いもよりませんでした。詐欺をした人の実の娘と契約していたとは…本当に情けないし腹立たしいです。知っていたら、生命保険などの契約はしませんでした。真実を隠しながら、私と長年付き合いがよくもできたものですよ。普通の精神ではありません」

 直接、詐欺の被害にあったのではないものの、女性Aも間接的な被害者であることは明らかである。なぜなら、吉田も詐欺行為に関与しているためだ。正下がつくった借用書や証文に、保証人として吉田の氏名が明記されている。吉田が保証人となっていることが、吉田も被疑者の1人といえる証であろう。

 Aとの契約をはじめ、過去の営業現場にて、正常な心理で仕事できたのだろうか。実の母が同じ会社で、顧客を欺いて金を集めていたとわかっている時点で、正常な気持ちでいられないのではないか。正下・吉田の母娘の心の闇は、相当深いといえよう。

(つづく)

【河原 清明】

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