2022年05月25日( 水 )
by データ・マックス

第一生命の保険金詐欺(9)~12月22日の会見について被害弁護団の見解

 第一生命保険は22日、「『元社員による金銭の不正取得』事案に関するご報告」を公表。それに対して、第一生命被害弁護団から筆者に下記のメールが送られてきた。

▲クリックで全文表示▲

「被害弁護団の見解」は以下の通りとなっている(一部編集・補記)。

◆第一生命は12月22日、「『元社員による金銭の不正取得』」事案に関するご報告」で、調査結果を報告・説明する記者発表を行いました。本年7月3日に解雇されるまで第一生命の嘱託社員だった正下文子(解雇当時88歳)は、山口県を中心とする西日本全域の顧客に、第一生命の発表でも24名約19億円の詐欺被害をもたらしています。

 今必要なのは、
(1)このような重大かつ広汎な被害が全国唯一の特別調査役の書きを付与された募集人によって長期間に及んでなされてきた実態の原因究明。
(2)再発防止策の策定・実施。
(3)迅速な被害救済。
3つを挙げている。

◆ところが、本日の第一生命の会見は、この3点のうち①、②は一定の前進が認められるものの、①、②はもとより③について極めて不十分であり、第一生命が標榜する「お客さま第一の業務運営」に程遠いものと言わざるを得ず、極めて遺憾です。

◆事故防止策に対する社内の対応不足について
(1)第一生命では、16年前の兵庫県での募集人の詐欺事件や、3年前の正下文子に対する疑惑などが相次いで発生していたのに、なぜ厳正な調査や再発防止ができなかったのか。
 なぜ、正下文子をこれほど特別扱いし、当然なすべき日常的業務監査を怠り続けた背景に社内幹部のみならず、外部有力者(山口銀行の田中耕三元頭取・相談役を指すものと見られる)の影響力の行使はなかったのか。本日の会見では、半年間の調査がなお不十分です。

(2)第一生命は約700人いるとされる正下文子の顧客に対し、なぜ正下文子の実名を明示して同人を詐欺で刑事告発したことを告知して「あなたは大丈夫ですか」と直接、全顧客に面談調査しないのか。また、正下文子の顧客の共同担当とされている同人の娘(吉田美智子/神戸総合支社)を正下解雇後も正下の顧客だった人の担当から外さないのはなぜか。

(3)正下文子による詐欺被害は、正下が第一生命社員として行っていた生命保険金支払業務や保険契約業務の際の詐言によって生じたものです。正下の不自然で特異な言動を適正にチェックしていれば防止できたものでした。第一生命の注意義務違反の結果生じた顧客の被害なのだから、少なくとも被害金額が明らかになっている顧客については、直ちに全額補償する方針を明示するべきです。被害者の方々は、第一生命の看板を信じたばかりに金銭を騙し取られたことの悔しさと自責の念にさいなまれ、眠れない年末を過ごしています。第一生命経営陣は株主や顧客に対する責任はもとより、社会全体に広がりつつある募集人及び保険業界への不信感を払拭するためにも、これまでの態度を改め、原因究明・再発防止・被害者救済になお全力を尽くすべきです。
以上

本見解に関する問い合わせ先(被害者弁護団 東京)
【被害者弁護団メールアドレス:daiichiseimei@higaibengodan.com】
【被害者弁護団専用電話:03-3359-0613(平日12時~16時)】

※太字は筆者が追記。

<むすび>
第一生命は「被害弁護団の見解」が指摘した通り、正下文子の顧客約700名の顧客に対して直接面談して調査すべではないだろうか。また被害額の30%ではなく、被害額全額を補償すべきではないだろうか。

(つづく)
【(株)データ・マックス顧問 浜崎裕治】

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