2022年05月24日( 火 )
by データ・マックス

第一生命19億円詐欺事件の闇(7)~第一生命の冷淡な対応?

 当サイトにて連載する、第一生命保険西日本マーケット統括部徳山分室(山口県周南市)を舞台にした架空金融詐欺事件では、当時80代の元営業社員(元特別調査役)の正下文子が、架空の金融取引を顧客にもちかけて不正に資金を集めていた。判明した被害総額は、約19億円。
 当事者である正下の動向に注目が集まるなか、「私もある意味だまされました」と名乗り出た、関西地方在住の第一生命契約者に取材を行った。

 正下文子の長女・吉田美智子(第一生命・上席特別参与)は、Aの担当を約12年間、続けていた。Aは、「私は大変残念ですよ。契約した保険の掛け金が惜しいのではありません。契約は、自らの意志で行ったのですから…。それでも、彼女(吉田さん)が一所懸命働き、活動しているさまを見て付き合いを始めたのです。吉田さんは、母親のことを、なぜ自ら私に言わなかったのでしょうか。何度も申しますが、正下さんが詐欺に手を染めていることは、間違いなく知っていたはずです。保証人に名を連ねているのですから…」と話した。

 Aは、第一生命の体制そのものにも問題があるとして、第一生命の本社の窓口に連絡したときの第一生命の対応についても、下記のように言及した。

「私は、確か2020年11月19日に、第一生命の本社窓口(電話番号:0120-157-640)に「1人の営業担当へ過度な忖度があったのではないか」と電話で問い合わせました。もちろん、問合せの最初に、私の身分と吉田さんとの関係もきちんと話しました。

 第一生命の態度は残念ながら、決して良いといえるものではありませんでした。電話口の担当者は私の話を静かに聞いておりましたが、「はい、わかりました」という謝罪の姿勢が見られない態度でした。私は謝罪を求めたことはありませんが、頭を垂れるような態度は必要ではないでしょうか。

 第一生命の役員は、「世間を騒がせて申し訳ない」と記者会見で一応謝罪しておりましたが、社内で一連の詐欺について本当に調査をしていたのか、と第一生命に対しても疑問を感じましたね」

 Aは、通り一遍の会見や発表を行うのではなく、被害者の方々に誠心誠意をもって詫びて、自らの責を認め被害者に補てんすべきであるという。

 Aは「大手メディアは、正下さんと吉田さんの実名報道に踏切るべきです。第一生命も正下さんを長年忖度し、甘やかした経営体質を認めて、被害者に対して償うことを求めます。これほどの大規模な詐欺を、会社側が『知りませんでした』というのは通用しないですよ。第一生命は、仮に知らなかったということであっても、管理上、大きな問題を抱えていますよ。いずれにしても、第一生命の責任は重いです」と再び強く強調し、今回の話を必ず記事にしてほしいと述べた。

 女性Aによる見解や、詐欺の当事者(正下)や関係者(田中耕三・吉田)に対する厳しい指摘もさることながら、第一生命は管理責任をやはり問われるべきであると確信した。

 正下に19億円もの資金を詐取された直接被害者の方々とともに、女性Aのような多数の間接的な被害者も存在する。正下の長女・吉田も、「成績優秀」な営業担当であった。その具体的な数値は定かではないものの、相応の顧客を担当していたことは明白だ。

 女性Aのように、吉田が担当してきた第一生命・保険契約者のなかで、声を挙げることができる人はほとんどいない。なぜなら、吉田が担当してきた契約者は間接的な被害者であるにも関わらず、正下と吉田の母娘関係について、いまなお知らない可能性が高い。正下とともに、吉田の責任も大きいことは明白だ。

(つづく)

【河原 清明】

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