2024年03月28日( 木 )

【森友学園】再生管財人としての役目をはたしてほしい~会見で訴えられた現場の悲痛な声

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「民事再生法の再生計画案が可決されてから、これまで職員および保護者の皆様、そして園児たちと日々過ごしてまいりました。終結する方向で私たちは動いておりましたが、一番大切な園児募集を2019年より止めるように強要されておりました」

 学校法人森友学園が運営する塚本幼稚園幼児教育学園の園長であり理事長の籠池町浪(かごいけちなみ)氏は21日、大阪ガーデンパレス(大阪市淀川区)で記者会見を開き、民事再生の管財人の行動に対し、このように苦言を呈した。籠池氏は会見で管財人とのやり取りについての詳細を語り、会見は約2時間におよんだ。

 同幼稚園は17年12月に再生計画案が可決され、疋田淳弁護士が管財人として就任。再生計画では、債務約28億8,000万円の97%を免除したうえで3年間支払いを猶予し、21年からの10年で約8,000万円を弁済することになっていた。

 籠池氏は「私は、管財人が1月5日に裁判所へ休園の申請を提出し、6日に申請の許可が降りたことを、別件の用事で裁判所に行ったときに偶然知りました。運営側・職員の誰1人としてそのような事実は知らず、18日に解雇通知および休園が保護者の元に一方的に通知されました」と述べ、疋田管財人の行動に不服の意を示し、先日開かれた管財人の発表には事実と異なる部分、誤解を与える部分があるとした。

 また、会見には姿は見せず音声のみの参加で、現場職員が登壇。籠池氏の後方に用意された幕の裏からそれぞれの思いを発信した。「疋田弁護士が管財人として就任後、現場では2、3回しか会ったことがない」「園の存続に賛同してくれる方々からの寄付金を貸付と位置づけ弁済額に充てることを許可しない」「幼稚園の不足などの社会問題があるにもかかわらず安易に閉園をする」ことへの不満などを訴えた。

 申立て弁護人である三浦栄一郎弁護士は、「まず裁判所に掛け合い、閉園の許可の取り下げを打診するところから始める」とし、現段階では早急に法的措置を図ることは検討していないと述べた。

 籠池氏は今後の方針として、園の存続に向けた活動を多方面から行うとともに、園児および保護者に心配をかけぬよう誠意をもって対応していくことを表明した。本会見は保護者にもオンラインで発信されている。双方の主張が食い違い、各会見が連日行われるという事態や、先の「森友・加計問題」の関係者による事件ということもあり、今後の展開にさらなる注目が集まっている。

【麓 由哉】

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