2024年03月29日( 金 )

中国経済新聞に学ぶ~中国謎の「ネット王」黄崢(前)

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40才若さで、総資産額は454億米ドル、柳井正や孫正義を追い越した

 アリババの創業者・馬雲氏が凋落し始めた頃、逆に1980年以降生まれの1人の若者が、朝日が再び昇るように浮上してきた。その若者とは、中国のeコマース界で有名な「ピンドゥオドゥオ(拼多多)」の創始者・黄崢氏である。彼はちょうど満40歳になったばかりの青年で、上海に多くのネットショッピングとネットゲーム会社を設立し、その資産は総額454億米ドル(約4兆7,238億円)に達し、日本の富豪である柳井正氏(249億米ドル)や孫正義氏(240億米ドル)を追い越した。

eコマース「ピンドゥオドゥオ」を創業

 上海市の中心にある、それほど新しくないオフィスビルから、結婚衣装はアメリカ、腕時計はフランス、廉価なスポーツシューズは英国へ販売されている。23階建ての緑地商務ビルでは、数十社のインターネット小売事業やその関連事業が運営されているが、1つ1つのオフィスには何の表示もなく、「Self Confidence」(自信あり)という文字が唯一ガラス窓に貼ってあるだけである。これらの会社の背後には、現在40歳の1人の男性、黄崢氏がいる。億万長者の黄崢氏はネット販売(eコマース)、ピンドゥオドゥオの創始者で、同社の董事長であり、筆頭株主である。20年で株価がもっとも爆発的に値上がりした会社で、1月より累計で260%も上昇した。

 現在、株式の時価総額が1,700億ドルのピンドゥオドゥオ以外に、黄崢氏は自身と緊密な関係にある同僚らと一緒に上海にネット販売会社とネットゲーム会社からなる巨大なネットワークをつくり上げ、上海ではこれに勝さる相手がない程のインターネットの王様となった。これらの会社のなかには、海外でピンドゥオドゥオよりさらに有名なものがある。その1つがVovaというアプリケーションで、欧州でもっとも人気があるネット販売サービス会社の1つであり、Sensor TowerのデータによるとVovaはフランスとイタリアでの直近四半期のネット販売のトップ10に入っている。

 ピンドウオドゥオはかつて投資家に対して、黄崢氏はこれら会社のいくつかの創始者、あるいはそれらと何らか関連すると伝えていたが、中国証券監督管理機構への登録情報によると、これらの会社はすべて黄崢氏の同僚の所有となっている。これらは「白い手袋」といわれる手法で、中国の富裕層ではよく見かけられる。すなわち親しい友達により株式を代理所有してもらい、個人のリスクを回避すると同時に、公衆が注目する審査から逃れるのである。

 黄崢氏はたまたま自分名義の株を中国で所有していたに過ぎない。ピンドゥオドゥオにしても、黄崢氏は18年の最初の株式公開以前には、自分のすべての株式をピンドゥオドゥオ中国の運営主体の筆頭執行員である陳磊氏に譲渡していた。陳磊氏は黄崢氏が米国ウイスコン大学マディソン校時代の同級生である。

 69歳の「顧燕萍」女史は身代わり株主のような人であり、中国内陸で枸杞(クコ)の産地で有名な農村出身者で、それらのいくつかの会社の90%の株式を所有している。中国のマスコミでは黄崢氏は非常に得体が知れないと伝えられている。世間では、黄崢氏が既婚者かどうかもわからないと言われている。

(つづく)


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