2024年04月20日( 土 )

【凡学一生の自戦体験記1】ひき逃げ犯か、あたり屋被害者か

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事件の発端

 2月25日(木)の午前中に突然、福岡県警の南警察署の警察官の訪問があり、3日前の22日(月)に南区管内で何か事故を起こしませんでしたかという突然の質問を受けた。それというのも、ひき逃げ事故にあったという被害届出があり、その車種と車番が小生の所有車と一致するというのである。

 そういえば、2、3日前、交差点で歩行者から攻撃的な態度をとられ、通過するときに筆者の車両への加害音を聞いた記憶があり、もしかするとそのことかもしれないと思い出した。

 それがどこの場所で、時間は何時頃だったかという記憶は消失していたが、走行車に対して歩行者が攻撃的態度をとったこと、加えて、通過するときに手拳または足蹴り、または所有物によって車両に何らかの攻撃を受けたときの小さな甲高い「カン」という衝撃音の記憶だけは、不愉快な出来事として記憶していた。

 そこで警察官は、その日に訪問したすべての場所を思い出して説明するよう求めた。記憶から3カ所ほどの訪問先をおぼろげに思い出して述べたところ、被害者の主張する事故現場が筆者の通過した道路と一致した。「被害者」は病院に行き、治療も受けているという。これでは、筆者がひき逃げ犯であることはほぼ間違いないのでは、と訪問してきた警察官は確信したようであった。

事件現場の意味するもの

 筆者はその事故現場の交差点をほぼ毎日左折する。小さな交差点であり、左折時には車両は回転速度を有しているが、直進速度はほぼゼロに近い。これで一体、どのような「ひき逃げ」事故が可能というのであろうか。

 被害者がひき逃げに遭うためには、車道上に存在しなければならないが、それは車両の前部が被害者に衝突することを意味する。しかし、被害者は本件で、筆者の運転する車両がその左側面で被害者の膝を直撃したと主張しているという。

 筆者の記憶では歩行者は「がっちりした体格で短髪の作業員風の若干小柄の体格」であったように記憶しているが、なによりも、その現場を通過した時刻と、明るさに大きな矛盾点がある。

 記憶ではその交差点の通過時刻は夕方の午後6時過ぎで、すでに夕闇のなかにあり、運転席から左前方で攻撃的な態度をとった人間を明確に記憶するには暗すぎるという点が矛盾しているが、最大の矛盾点は「被害者」は犬を連れて散歩中であったという事実である。「被害者」がいうには、犬が先に交差点内に入り、自分はそれを引っ張っていた、という。それにもかかわらず、筆者はまったく犬の姿も見ておらず、もちろん、ひいてもいない。

 警察官は筆者の車両の左側面の衝突痕を恐らく呼び鈴を鳴らす前に確認したものと思われるが、もちろん、そのようなものは何もない。それにもかかわらず、今後は「示談」してもらうことになる、という。

 筆者は当該警察官に物申した。当方は現在、被疑者・容疑者の立場にあるが、認識としては「あたり屋」によるでっち上げ交通事故の加害者であるため、実質は被害者である。器物損壊罪の被害者、および虚偽告訴罪の被害者であるから、被害届出をしたい、と伝えたところ、まだ筆者の車両が加害車両と確定したわけではないから、今しばらく捜査を続けるとのことであった。今後、警察はどのような対応をとるのであろうか。

 どこかの横断歩道のある道路を通過する際、信号の変わる前後であったため、歩行者が通行車両に攻撃的態度を示し、その揚げ句、車両に何らかの加害をしたもの、との記憶がある筆者にとっては、ひき逃げ犯の汚名はまさに冤罪である。

 当該警察官がいうには、目撃証言による車種と車両番号だけでは加害車両は特定できないという。筆者には歩行者から加害を受けたという記憶は間違いなく存在するのであるから、警察官が、筆者の主張を「罪を逃れるための虚構」と解釈し、日時場所の一致を理由に強制捜査(つまり逮捕・身柄拘束)を行う可能性も否定できない。

(つづく)

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