2024年04月24日( 水 )

【凡学一生の自戦体験記2】新たな組織詐欺事件か

記事を保存する

保存した記事はマイページからいつでも閲覧いただけます。

印刷
お問い合わせ

次々に明らかとなる不条理

 2月25日(木)の午前中の福岡県警の南警察署員による事情聴取は、冷静に振り返ってみると重大な不条理のオンパレードであった。

(1)目撃証人への事情聴取と被疑者・容疑者への事情聴取との本質的差異

 当該警察官は筆者の所有車と条件の一致する加害車両の特徴を述べ、加えて、3日前のすべての走行事情を一方的に申告自白させて、被害現場を筆者が走行した事実を確認した。つまり、警察官が事故現場を先に明示して、そこを通行したかどうかを尋問したものではない。

 この尋問方法では誘導尋問でもなければ、筆者からの「通った記憶がない」との否認証言も不可能である。同24日に通行したと述べた経路のうちに紛れもなく事故現場が含まれているため、完璧な自白を獲得できる。ここまでは一見、完璧に合法的な被疑者への任意捜査のように見える。

 しかし、警察官は被疑者への尋問の必須条件である「黙秘権」の告知をしなかった。筆者が事故現場を目撃車両の特徴と一致する車両で通行しており、その確認以降の尋問は明らかに被疑者への質問であるから、黙秘権の告知は必須である。

 筆者は幸いにして、2、3日前に交差点を通過の際に、攻撃的な歩行者による加害行為を受けた記憶があったため、その旨を告げ、もしその人物が「ひき逃げ」を主張しているなら、その人物は「あたり屋」である旨を主張した。すると、警察官は言下に「被害者はそのような人ではない」と否定し、筆者の主張を受け入れようとはしなかった。

 そこで、筆者が主観的な認識では被害者であるから、被害届を出したいと述べると、警察官はこれも拒絶した。その理由は、筆者が事件の被疑者・容疑者としてまだ確定した訳ではないからだという。明らかに支離滅裂の論理であった。

 被害届を受ける、受けないということで押し問答をしていると、警察官は立腹して、「正式な手続きをとってきて出直す」、つまり逮捕状や捜索差押令状を取って出直すと言い放ち、立ち去ろうとしたので、筆者は自車の衝突部位とされる左側面をなぜ確認しないで立ち去るのかと詰問した。何よりも重大な客観的証拠である衝突部位の状況を保全しようとする姿勢が見られなかったのだ。筆者は、せめて写真でもとるように警察官に求め、警察官はスマホで撮影した。もちろん、筆者は左側面を正面から見るのではなく、逆光となる位置から側面を見ることによる表面の凹凸の確認も求めたが、警察官はそれをせず、正面からスマホで左側面をただ撮影しただけであった。

 警察官が徒歩で筆者の居宅を立ち去った後に、奇妙な違和感が残った。捜査官である警察官はなぜ2人で訪問し、加えて警察車両に乗ってこなかったのか。まさか「隠しマイク」で録音したわけでもあるまいし、仮に筆者を立件する場合に、調書を一体どのように作成するのだろうか、との疑念が脳裏を去来した。

 すると、決定的に不条理な発言があったことに気付いた。警察官は「いずれにせよ示談をしてもらうことになる」と説明したため、「示談とは筆者が加害者で、相手が被害者との前提の議論だから、到底受け入れられない」と拒絶したが、冷静に考えるととんでもない発言であることに気付いた。人損事故、加えて「ひき逃げ」の届け出を受けた事件であるから、基本的に示談は考えられない。とくに「ひき逃げ事件」について、捜査官が「示談」を口にすること自体があり得ない。何かがおかしい。事件の構図をさらに冷静に振り返って見ると、とんでもない虚構があることに気付いた。

(2)物理的に「ひき逃げ事故」が発生しえない現場

 本件の不条理の決定的証拠は現場の構造にある。しかし、その不条理を説明する前に、時間的な経過における不条理を指摘する。

 被害者はひき逃げされた際にスマホをもっていたなら、逃げ去る加害車両をすぐに撮影しただろうし、逃げ去る車両に少なくとも大声で停止を求めたはずである。もちろん、筆者には、そのような大声での追跡を受けた記憶などまったくない。

 そこで、次の疑問は、被害者は病院に行って(膝頭の)治療を受けていると警察官は説明していたが、そもそも、被害者は何時、どのようにして病院に行って治療を受けたのかということだ。歩行できないほどの損傷を受けたのであれば、救急車を呼ぶ他ない。病院での治療では医者の問診に対して、ひき逃げを主張しているはずである。

 被害者は、どのようにして「何時」、警察に被害届を出したのだろうか。通常は救急車で病院に運ばれるほどの人損事故であれば、強制保険の適用上からも、警察への連絡は不可避であるから、被害者は事故後、直ちに病院に搬送され、警察への通報も同時に行われているはずである。それなら、なお一層のこと、「示談」はあり得ない。

 とくに警察は、当日に加害車両と特定する情報を得ているはずであり、25日の午前中に筆者の居宅を訪問するまでに時間がかかりすぎている。そうすると、被害者が病院に行った日時が極めて重大な疑問点となる。通常、警察は今回の事件の情報を入手したら、加害車両の特定が瞬時にできるので、被害者が被害の届け出を警察にしたのは24日である可能性が高い。これも不思議な点の1つである。

 決定的に矛盾する証言は、筆者と警察官との会話のなかにあった。車種と車番まで一致しながら、警察官は筆者の車両が加害車両とまだ決まったわけではないと逃げを打った。筆者は重ねて「被害者は加害車両の色を何色と主張しているのか」と尋ねたところ、警察官は「被害者は日没後の夕闇で色は確認できなかったと言っている」と答えた。

 これには重大な虚偽が少なくとも2つある。まず、接触するほどに加害車両と近接したのであるから、夕闇による色識別不能の弁解は不条理である。さらに、決定的な不条理は日没後の夕闇で車両の色が識別できないほどであれば、通行車両は当然にライトを点灯して走行することだ。

 事故現場は、1車線の細い道路と2車線の細い道路との信号機のない交差点である。1車線の細い道路から2車線の細い道路にいったん停止して左折し、進入走行した筆者の車両にはひき逃げは不可能である。とくに2車線の対抗車両がライトを点灯している場合、ライトの幻惑効果で車両幅が見えなくなり、左折車は狭い進行車線に進入するために、ほぼ極端な徐行を強いられる。この現場をほぼ毎日、日没後に走行する筆者にとって、いったん停止して徐行し、左折する以外にはあり得ない交差点である。事故の発生がすでに日没後の夕闇時であったするなら、この交差点ではひき逃げ事故はそもそも不可能である。

 それにしても、日没後に犬の散歩をする被害者はなぜ警察官から善人と認められたのだろうか。

(つづく)

(1)
(3)

関連記事