2024年04月16日( 火 )

DHAやEPAなどのn-3系多価不飽和脂肪酸、うつ病への効果なし?

記事を保存する

保存した記事はマイページからいつでも閲覧いただけます。

印刷
お問い合わせ

 (国研)国立がん研究センターの社会と健康研究センターは16日、DHAやEPAなどのn-3系多価不飽和脂肪酸の血中濃度と、うつ病のリスク低下に関連性がないとする研究結果を発表した。これまでに国内外で行われた研究で、魚介類やn-3系多価不飽和脂肪酸の摂取がうつ病のリスクを下げると報告されていたが、それを否定するかたちとなった。

 今回の研究は、1990年に長野県佐久郡の8町村に在住していた40~69歳の1,213人を対象に実施。そのうち103人が精神科医によってうつ病と診断された。1,213人から血液を採取し、n-3系多価不飽和脂肪酸の濃度を測定。濃度別に4つのグループに分けて、うつ病のリスクを比較した。

 分析の結果、総n-3系多価不飽和脂肪酸の血中濃度と、うつ病のリスク低下との関連性は認められなかった。EPAやDHAなど成分別の血中濃度についても、関連性は見られなかった。

 研究グループでは、血中濃度の測定とうつ病の診断が同時期であったため、うつ病と診断されたことで食習慣が変わった可能性もあると指摘。関連性をより明確にするためには、今後さらなる研究の蓄積が必要としている。

【木村 祐作】

関連記事