第一生命の金融詐欺事件(5)~被害者に対して全額補償
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第一生命保険は3月31日、下記の通り、正下文子元社員(89歳)による金融詐取事件で、被害額が確定した顧客に対して全額を補償すると発表した。これまでに被害額の3割を立て替え弁済していたが、残りも支払って被害回復を進めると表明した。同社は元社員に「特別調査役」の役職を与えたことも顧客がだまされる一因となったことを認め、早期救済に踏み切ったようだ。
正下文子特別調査役は、同じ徳山市(現・周南市)出身の山口銀行の役員・頭取・相談役を経て、現在は特別社友の田中耕三氏(94歳)と非常に懇意であり、その支援を受けて山口県内で保険を半世紀以上売り続けた成績優秀者だった。この2人の密接な関係が筆者著『実録 頭取交替』を発刊する要因となった。
【表】を見ていただきたい。金融詐欺事件の概要である。
正下文子特別調査役は、被害者に対して「特別枠」を用いて高金利で運用するとの嘘の話をもちかけ、金融詐欺事件を繰り返していた。山口県の被害者は24人、約19億5,100万円(昨年11月9日公表時点から変更なし)となっており、第一生命から刑事告訴されている。
同社は、被害者24人のうち、元社員から利息や配当名目で返済を受けた額、会社から立て替え弁済された額を除き、残りも補償するとしている。
以下、10月30日に和歌山事案などの4件が公表されているが、これらは正下文子特別調査役の金融詐欺事件の調査の過程で新たに判明した不正事案である。
<まとめ>
第一生命の発表を受けて昨夜(3月31日)、体面を気にして裁判に持ち込んでいなかった大口被害者の1人からお礼の電話があった。第一生命はこれまで裁判所の調停などで被害者と個別に交渉してきたが、一転して全額を被害者全員に補てんし、正下文子特別調査役に全額補てんを求めることに方針を転換。今回の第一生命の発表により、金融詐欺事件は早期に解決する方向に進むことになりそうだ。【(株)データ・マックス顧問 浜崎 裕治】
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