2022年05月25日( 水 )
by データ・マックス

第一生命の金融詐欺事件(6)~注目される被害者弁護団との和解

 下記は4月2日(金)、第一生命被害者弁護団の東京共同法律事務所の猿田佐世弁護士からから筆者に送付されてきたメールである。

報道各社各位(BCCにて失礼します)

お世話になっております。
添付の通り、正下文子氏の詐欺事件につき、3月31日の第一生命の発表につきまして、弁護団のコメントを発表いたしましたので、お送りいたします。
ぜひ、引き続き本件について関心をお寄せいただき、報道いただきますようよろしくお願いいたします。
ご連絡はこのメールへの返信ではなく、下記のメールアドレスまでお願いします。
daiichiseimei@higaibengodan.com

第一生命被害者弁護団
弁護士 猿田佐世
東京共同法律事務所 弁護士 猿田 佐世
Sayo Saruta (attorney)、
TEL:03-3948-7255 FAX:03-3355-0445
〒160-0022 東京都新宿区新宿1-15-9 さわだビル5F
Sawada Building 5F, 1-15-9, Shinjuku Shinjuku-Tokyo, Japan ZIP160-0022

<第一生命の被害者への対応>
 下記を見ていただきたい。第一生命が正下文子元特別調査役による金融詐欺事件に対して、3月31日付で「元社員による金銭不正取得事案(2020 年 10 月 2 日公表)に係る対応」を発表した。

~この発表から見えるもの~
◆同社は今まで、被害者に対して返済されていない金額の3割を先行弁済(補償)していたが、3割を超える部分の弁済については、被害者が利息を受け取っているケースもあり、実際の被害額の算出が難しいことから、裁判所の調停制度を利用して第三者による判断を求めていた。
◆同社はこれまで裁判所の調停手続を利用した個別の話し合いを進めていたが、一部の裁判所から、被害額の全額相当程度を補償することが適当である旨の和解案が示されていた。
◆その和解案を受けて、同社は被害額が確定している被害者に対して被害額の全額を支払うことに変更。正下文子元特別調査役による金融詐欺事件の被害者24 名に対して、被害額約 19 億 5,100 万円(11 月9日公表時点からの変更はなし)を支払うことを公表。ただし、「返済を受けた元本額や利息・配当等の名目で受領した金額および同社がすでに立替弁済を行った金額は控除」する。
◆同社は正下文子に「特別調査役」の役職を与えたことが、顧客がだまされる要因となったことを認め、被害者に全額を補償する必要があるとの判断を示したのだ。

第一生命の元社員による不正事案に係る対応についての発表資料

▲クリックで拡大▲

 下記は第一生命の3月31日の「元社員による金銭不正取得事案(2020 年 10 月 2 日公表)に係る対応について」に対する第一生命被害者弁護団の記者発表資料である。

第一生命被害者弁護団の記者発表資料

▲クリックで拡大▲

<まとめ>
 筆者は第一生命の正下文子元特別調査役による金融詐欺事件において、第一生命が裁判で決着を付けることなく被害者全員に対して被害額全額を補償するように訴えてきたが、今回ようやく実現することになりそうだ。

 第一生命被害者弁護団と第一生命との調停(第2回)は、4月8日(木)午後2時から開催される予定になっており、どのような内容で和解が図られるのかということに注目が集まっている。

 このような大規模な金融詐欺事件が山口県内で発生した大きな要因は、昨年11月まで山口銀行の特別社友だった元頭取・相談役の田中耕三氏(94歳)と、第一生命の正下文子元特別調査役(89歳)との親密な関係から生じたものであり、『実録 頭取交替』からおわかりいただけるように、維新銀行(山口銀行)の道義的な責任は非常に大きいことは付記しておきたい。

【(株)データ・マックス顧問 浜崎 裕治】

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