2024年04月24日( 水 )

熊本トップクラスの管理戸数、豊かなまちづくりに貢献するコスギ不動産

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(株)コスギ不動産 代表取締役社長 小杉 周司 氏

地域密着で築き上げてきた事業基盤

 ――創業39年目を目前に控えています。御社のこれまでを振り返っては、いかがですか。

代表取締役社長・小杉周司氏
代表取締役社長・小杉周司氏

 小杉 私の叔父が不動産売買を目的に小杉不動産を創業したのが、当社の始まりです。その後、当時熊本県警に勤めていた父が退職後に合流し、法人化をはたしました。同時に、売買中心のビジネスモデルからストックビジネスへの転換を図るべく、賃貸管理を開始。地域密着で創業から39年、売買・賃貸管理を事業の柱とし、リーマン・ショックなどの危機も乗り越えてきました。また、この間に新たな事業領域への挑戦として、投資用不動産の一棟売りや、小規模での宅地分譲地の開発にも取り組みました。

 投資用不動産は、土地の仕入れから手がけ、1棟20~40戸の賃貸マンションとして企画し、投資家の皆さまに販売しています。売って終わりではなく、販売後は当社で物件管理を手がけることにより、安定的な収益源の確保にもつながっています。これまでの販売棟数は70棟以上に上り、投資家の皆さまからも相応の信頼を得られているものと考えています。

 宅地分譲地の開発に関しては、年間50区画を目安に実施しており、10年ほど前には旧RKKグラウンド跡地で全165区画の大型住宅団地「にじの森~グリーンタウン~」を開発しました。

 売買・賃貸管理・開発と、1つのことに偏重せず、バランス良く事業を展開してきたことが、景気の波に左右されない、堅固な事業基盤の形成につながったのだと思います。

 ――賃貸管理では、熊本トップクラスの管理物件数を誇ります。御社の強みはどこにあると考えていますか。

 小杉 現在、当社の管理物件数は約1万7,000戸で、エリア別で見ると熊本市中央区が全体の約3割を占めます。当社では物件の管理から賃貸仲介まで、自社一貫体制で行っており、賃貸仲介率は9割に上ります。これが強みの1つといえます。

 また、管理に関しては「身銭を切ってでも空室を埋める」という覚悟のうえで臨んでおり、管理物件に対して1,000万円の空室対策予算を組んでいます。リフォームやキャッシュバックキャンペーンなどにこの予算を活用していただくことで、オーナーさまもゆとりある家賃設定が可能になります。

 ――徹底的なオーナー目線で、一緒になって入居率の改善に取り組まれているのですね。

 小杉 当社ではオーナーサポート課を設置し、オーナーさまからの報告や要望を集約し、それを社内での共有を行い、日々改善を図っております。また、社員からの働きかけもあり、空室の問い合わせや入居申し込みなど、これまで紙やFAXでやり取りしていたものを順次デジタル化。店舗においてはAIによる自動案内、オーナーさまへはアプリを介した家賃送金などを行っており、直近5年間で業務効率が格段に向上しました。6月には新たにDX事業部を立ち上げる予定です。

安心して暮らせる豊かなまちづくりを

 ――熊本地震から5年が経ちます。御社では震災当時、熊本地震対策本部を立ち上げられ、被災者支援に尽力されました。

 小杉 地震発生直後から当社では「熊本地震対策本部」を立ち上げ、以降3カ月間にわたり対応を続けました。オーナーさまや入居者さまからのお電話には、震災被害受付コールセンターを設置し対応しましたが、問い合わせ件数は1日1,000件以上に上り、通話不通状態に陥ったこともあります。このほかに「みなし仮設」に関する行政とのやり取り、住み替え手続き、顧問弁護士に常駐してもらって被災者の相談対応など、全10班体制で被災者支援にあたりました。

 店舗を3日間だけ開けた際には、早朝5時から多くの方が並ばれ、1,000名以上が集まり、当社の管理物件で貸し出し可能な状態にあった約700戸を、抽選で一時貸しさせていただきました。社員のなかにも被災した者がおり、会社で寝泊まりする日が続くなど、熊本地震の発生は、改めて住まいがあることのありがたさ、そして、我々の仕事における使命や、やりがいを見つめ直すきっかけになったと思います。

 ――完全復興がはたされようとするなか、今後、熊本で進む新たなまちづくりで御社がはたしていきたい役割について、お聞かせください。

 小杉 当社は今年10月にホールディングス体制へと移行します。目的は大きく2つ。1つは事業領域のさらなる拡大。これまで不動産事業を中心に展開してきましたが、創業以来、熊本に根差して活動してきた当社だからこそ可能な、「生活総合企業」としての飛躍を目指します。たとえば、当社ではゴルフ場やレストランを併設した「コスギリゾート阿蘇ハイランド」の運営も手がけております。阿蘇長陽大橋開通による交通アクセスの向上、コロナ禍の影響もあり、ゴルフ場利用者は増加傾向で推移しています。3月には気軽にキャンプが楽しめる「フランピングビレッジ阿蘇」をオープンし、盛況を博しています。

 そのほかにも、保険や相続コンサルなど、多岐にわたって事業を展開しており、これらの事業部がそれぞれ主体的に動けるようにしていきます。これが、ホールディングス化の目的の2つ目のです。社員もトップになれる体制を整えることで、やりがいをもって事業に取り組んでもらえればと考えています。目標は、8年後にグループ全体で売上高100億円の達成です。そして、地域の皆さまから「暮らしのことならすべてコスギ不動産に」と、そういってもらえる企業に成長していきたいと考えています。

 これからも地場企業として、地域とともに発展し、誰もが安心・安全に暮らせる、豊かなまちづくりに貢献していきたいと考えています。

「ライズ大津駅east」:JR大津駅も徒歩圏内、高い生活利便性を有する。
「ライズ大津駅east」:JR大津駅も徒歩圏内、高い生活利便性を有する。

【代 源太朗】


<COMPANY INFORMATION>
代表取締役会長:小杉 康之
代表取締役社長:小杉 周司
所在地:熊本市中央区九品寺2-6-57
設 立:1985年7月
資本金:1,000万円
URL :https://www.kosugi-f.com

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