2024年03月29日( 金 )

【みやき町「健幸長寿」のまちづくり(2)】みやき町の全員参加で目指す、健幸長寿のまちづくり

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統合医療拠点の誕生がもたらす賑わい

 「市村清記念メディカルコミュニティセンター」(以下、メディカルセンター)がオープンした6月26日には、オープニングセレモニーのほか、メディカルセンター内の多目的スペースを利用した「OPEN MARCHE」(オープンマルシェ)も開催され、オープンから2日間で5,000人以上が来場。町民から寄せられる期待値の大きさを示す結果となった。

みやき町長 岡 毅 氏
みやき町長 岡 毅 氏

 町職員の主幹時代からメディカルセンタープロジェクトに携わってきた岡町長は、「船出を迎えたメディカルセンターは、これからが本番です。メディカルセンターの利用を通じて、病気を患われる前の、未病のうちから町民の皆さんに心身のケアをしていただくことで、『健幸長寿』のまちの実現を目指します。こうした予防医療の推進は、医療費をはじめとする社会保障費の削減にもつながりますので、財政の健全化、ひいては、将来のみやき町に必要なインフラ整備にも役立つものだと考えております」と話し、ここから真価を問われることになると、気を引き締める。

 メディカルセンターでは、近代西洋医学に基づく従来の医療と、アロマや鍼灸といった代替医療を組み合わせた統合医療サービスの提供によって、町民の健康増進を図る。また、アンテナショップにカフェやレストラン、企業の事務所も入っており、多世代交流拠点としての役割も期待される。

 「オープンマルシェの盛況を受け、今後も月1回、メディカルセンターでマルシェを開催しようという機運が高まっています。近隣にはミスターマックスや西鉄ストアといった商業施設に加えて、夏には蓮の花が咲き誇る観光スポットの『千栗土居(ちりくどい)公園』もありますので、メディカルセンターの取り組みと近隣施設や観光スポットとが相乗効果を発揮し、周辺エリアを一緒に盛り上げていければと思います」(岡町長)。

全員参加でみやき町の未来を築き上げる

 少子高齢化をともなう人口減少が日本全体で進行するなか、生活利便性を維持しながらみやき町で暮らし続けるためにも、必要不可欠となるのが全員参加のまちづくりだ。

 メディカルセンターという場所をどう活用し、どう発展させていくのか――岡町長は、「私たちも知恵を絞りますが、入居された民間事業者、そして利用される町民の皆さんにも、一緒になって取り組んでもらえればと考えています。たとえば、メディカルセンターを健康に関する地域の情報拠点として発展させたいなど、参加する人が多いほど選択肢も生まれます。まちづくりに関しても同じです」と話す。みやき町は住居整備を進めたこともあり、流入からの定住化が進み、人口増をはたしたが、将来的な人口減少は避けられない。これについては、「デマンドタクシーによる移動の効率化や導入にともなうネットワーク環境整備など、住みよいまちで在り続けるためにも、1人ひとりが主体的に関わっていくことが重要になります」という。

 官主導ではなく、誰もが「じぶんごと」としてまちづくりに参加し、自らの経験や技能を生かすことで生活利便性を確保する。こうしたコミュニティ主体のまちづくりは、生活にも張り合いを生み、健幸長寿のまちづくりにも寄与するはずだ。メディカルセンターは、みやき町が地方創生の新たなモデルケースとなる、試金石でもあるのだ。

(つづく)

【内山 義之】

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