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2021年08月10日 12:08

「未来の冨安」はここにいる!~サニクリーン杯2021第5回アビスパ福岡アカデミーU-10大会

 アビスパ福岡は2~4日、10歳以下の選手を対象とした「サニクリーン杯2021第5回アビスパ福岡アカデミーU-10大会」(以下、アビスパカップ)を開催した。

 「日本サッカー界から世界で活躍できる人材を育成し、世界のサッカー界で日本が立つためにU-10世代のさらなるレベルアップを目指す」という使命感の下にスタートした同大会は、今年で5回目。昨年は新型コロナウイルス流行の影響などで中止となり、2年ぶりの開催となった。

 参加チームは九州・山口エリアの19チーム(20チームを予定していたが、1チーム辞退)。まずは主催クラブのアビスパ福岡アカデミー、アビスパ福岡サッカースクール。そしてレノファ山口、V・ファーレン長崎、サガン鳥栖、大分トリニータ、ロアッソ熊本、ギラヴァンツ北九州のJクラブから6チーム。さらに福岡・熊本・鹿児島など九州各県の地域クラブチームやスクールから11チームが、会場の福岡フットボールセンター(東区香椎浜ふ頭)に集結した。

 新型コロナウイルス感染対策のため、ピッチ内への立ち入りは選手とチーム関係者のみ。入場時にはアルコールスプレーによる消毒が行われ、試合中の選手以外はマスク着用が義務付けられた。

 試合は8人制・12分ハーフの24分で行われた。1日目・2日目に1次リーグ戦を行い、最終日はリーグ戦の順位を基に順位トーナメントを行って最終順位を決定するレギュレーションだ。1日目の後半は雷雨のため一部の試合が翌日に順延になったものの、2日目・最終日は好天に恵まれ、無事に全試合を消化した。

 アビスパ福岡アカデミーは、1次リーグで太陽SC(鹿児島)に惜敗して3勝1敗の2位となり、最終日は2位トーナメントに進んだ。2位トーナメント初戦の相手はバルサアカデミー福岡校。足元のテクニックに優れ、パスをつなぐサッカーを展開するバルサに対し、アビスパもチームワークと速い攻撃で互角の戦いを演じ、試合は0-0の引き分け。PK戦はサドンデスまでもつれ込み、最後は見事なPKストップでアビスパが決勝にコマを進めた。

バルサアカデミー福岡に果敢に攻め込む背番号10番 山田蒼揮選手
バルサアカデミー福岡に果敢に攻め込む背番号10番 山田蒼揮選手
バルサアカデミー福岡をPK戦で下し、歓喜溢れるアビスパ福岡アカデミーの選手たち
バルサアカデミー福岡をPK戦で下し、歓喜溢れるアビスパ福岡アカデミーの選手たち

 2位トーナメント決勝戦の相手は、なんとアビスパ福岡サッカースクール。期せずして「兄弟対決」となったこの試合は、アビスパ福岡アカデミーが背番号9・大津怜兎のミドルシュートで先制。この得点をチーム一丸で守り抜いたアビスパ福岡アカデミーが1-0で勝利を収め、2位トーナメント優勝を遂げた。

背番号9 大津怜兎選手が繰り出すシュートは相手チームを脅かした
背番号9 大津怜兎選手が繰り出すシュートは相手チームを脅かした

 1位トーナメントの決勝はロアッソ熊本とサガン鳥栖、Jクラブ同士の対戦となった。ボールをつなぎながら組織的に攻撃を仕掛けるサガン鳥栖に対し、ロアッソ熊本は粘り強い守備からカウンターを狙う。Jリーグを戦うトップチームのスタイルを思わせる両クラブが繰り広げた白熱の一戦は、1-0でサガン鳥栖の勝利。第5回アビスパカップの優勝は、サガン鳥栖となった。

今大会決勝戦となったサガン鳥栖アカデミーとロアッソ熊本アカデミーの選手たち
今大会決勝戦となったサガン鳥栖アカデミーとロアッソ熊本アカデミーの選手たち

 「これまで5回続けてきたことで、アビスパカップは九州でサッカーをプレーする子どもたちが目標とする大会になりました」。アビスパ福岡アカデミーの育成体制全体を統括する井上孝浩アカデミーダイレクターは、アビスパカップの意義をこう話す。

 「例年なら、アビスパカップに出場するための予選大会を行い、そこで勝ち上がったチームだけが出場できますが(※)、その予選大会で負けると悔しくてピッチの上で泣き出してしまう選手もいるくらいです。そうやって真剣に試合に臨む機会は、子どもたちにとってかけがえのない経験になります」。

 今回アビスパ福岡アカデミーの指揮を執った出雲大輝U-12コーチは、「子どもたちには、サッカーの技術だけではなく人間性も身につけてほしい」と強調する。

 「こうやって大会で試合することができるのは、対戦相手がきてくれるから、保護者の方々が送迎や食事の準備をしてくれるから、運営してくれる人たちがいるから。みんなのおかげでサッカーができるということに対してリスペクトする。それを学んでほしい」。

出雲大輝U-12コーチの声掛けに真剣な表情で聞き入るアビスパ福岡アカデミーの選手たち
出雲大輝U-12コーチの声掛けに真剣な表情で聞き入るアビスパ福岡アカデミーの選手たち

 大会の運営には、出場している選手たちより年上にあたるアビスパ福岡アカデミーU-12の選手たちが参加していた。ボールパーソン、パンフレットの販売、入場者の手指消毒、試合終了後の撤収など、きびきびと動き回る姿は非常に印象的だった。

 松本雄哉U-12監督は「今年はピッチのなかでプレーしていた選手が、来年は運営サポートに回ります。プレーする楽しさ、それを裏から支える喜び、この両方を体験するのは子どもたちにとってすばらしい経験になります」と話してくれた。

 アビスパカップの期間中、東京オリンピックではサッカー日本代表が初の決勝進出をかけてスペイン代表と対戦。強豪スペインを相手に延長後半まで食い下がったが、0-1と惜しくも敗れた。この試合、アビスパ福岡U-15出身のDF冨安健洋は累積警告で出場できなかったが、出場選手の多くはJクラブのアカデミー出身。アビスパカップから未来の日本代表、そして世界の舞台へと羽ばたく選手が生まれる可能性は非常に高い。

アビスパ福岡アカデミーU-10の選手たち  未来の冨安健洋選手に続けとアビスパ福岡イズムを脈々と受け継いでいく
アビスパ福岡アカデミーU-10の選手たち
​​​未来の冨安健洋選手に続けとアビスパ福岡イズムを脈々と受け継いでいく

 そんな未来のスター選手たちに、「人間性の大切さ」「感謝の気持ち」「関わるすべての人へのリスペクト」を伝えるアビスパ福岡アカデミーのスピリットは、必ず受け継がれるに違いない。

※:今回は新型コロナウイルス対策のため予選大会は行わず、これまでの試合結果などから算出したポイントで上位になったクラブが参加。九州・山口エリア以外のJクラブも参加していない。

【深水 央】

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