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2021年08月17日 09:56

山口FG吉村猛取締役、ご苦労さまでした(1)~山口FG総括

 山口フィナンシャルグループ(以下、山口FG)の代表取締役会長兼CEOを解任された吉村猛氏。彼のバンカー人生は事実上終焉したといえそうだ。

第一生命架空金融詐欺事件が発端

山口フィナンシャルグループ 6月25日、山口FGの第15期定時株主総会が開催された。株主総会後の臨時取締役会で、代表取締役会長兼CEO・吉村猛氏が同役職を解かれ、ヒラの取締役となった。株主総会で承認された直後に、役職を解かれる事態は前代未聞で、瞬く間に全国ニュースで報じられることとなった。

 全国ニュースで報じられる以前から、Net-IB Newsは山口FGの動向について独自取材を続けてきた。そして、同社の内部関係者から、実情に関する生々しい情報や告発が寄せられた。そのほとんどが、吉村取締役の“専横な経営”に関する詳細だった。内容は、経済・社会の心臓となる銀行業務を正しく遂行できる企業ではないというものであった。同社はコーポレートガバナンス(企業統治)が崩壊していたといっても過言でない状況にあった。

 端を発したのは、第一生命・正下文子特別調査役(当時)が起こした約19億円の架空金融詐欺事件である。同事件には、山口銀行の元頭取で昨年11月まで特別社友として在籍した田中耕三氏が関与していた疑いがある。田中氏は94歳まで山口銀行の陰の実力者として君臨し、多大な影響力を有していた(詳細は過去の記事を参照)。

 同事件は、吉村取締役も関与していたのではないかとささやかれている。「吉村氏は2011年6月から1年間、山口銀行常務取締役・徳山支店長に就いている。当時も正下文子氏は第一生命・徳山分室で営業活動を行っている。もちろん田中耕三氏の絶大な権力もあった。吉村氏は正下氏のサポートを実行していたことは明白だ」と同行OBの1人が力説する。同事件は、田中氏と正下氏が長年の“特別な関係”であったことがクローズアップされているが、“特別な関係”ではない吉村氏も正下氏の営業活動に協力していた可能性は否定できない。

同社関係筋からの内部告発状

 同事件の詳細について連日発信したことをきっかけに、同グループの現状に関する内部告発が次々と舞い込んできた。そのなかでも4月30日に当社代表取締役・児玉直宛に届いた内部告発状は、前述した吉村氏と正下氏との関係、特定コンサルタントとの癒着、女子行員との“特別な関係”を告発した内容であった。

 この告発状の真偽を慎重に調査した結果、「山口FGと山口銀行の内部関係者しか知り得ない内容で、概ね正しい」と判断し、公開に踏み切った。内部告発状の主については「取締役か執行役員」という憶測が飛び交ったが、現在まで判明していない。どのような動機で当社へ内部告発状を投じたのかは不明だが、内部告発を行った人物に対し、勇気ある行動に心から敬意を表したい。

(つづく)

【特別取材班】

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