2021年12月01日( 水 )
by データ・マックス

山口FG吉村猛取締役、ご苦労さまでした(4)専横的経営と公私混同で代表権を失う

 山口フィナンシャルグループ(以下、山口FG)・吉村猛取締役が代表権を失った要因のキーファクターは、専横的経営と公私混同であることは明らかである。

オリバーワイマン・富樫直記氏

オリバー・ワイマングループ イメージ 吉村氏を語るにあたって、オリバーワイマングループ(株)日本代表パートナー・富樫直記氏について言及することは欠かせない。

 オリバーワイマンは、1984年に設立された米国を本拠に置く経営コンサルティングファームだ。金融、リスク部門でのコンサルティングに定評があり、世界トップクラスの企業である。

 吉村氏は「改革派・地方銀行のトップ」の異名で、銀行業を融合させた地域企業および事業の活性化を目指すなど、既存の事業スタイルに捉われないスタイルを目指していた。そのなかの1つが、コンサルティング関連の事業だ。

 吉村氏はオリバーワイマン・富樫氏に傾倒し、次々とコンサルタント契約を締結し、新事業を立ち上げた。他県地銀と連動したサービサー(債権回収会社)設立など劣後ローンやファンドの仕組みを駆使した事業展開を計画していた。市場に沿った新たな事業創出を目指していたことは事実だ。

 他方、吉村氏は代表取締役会長兼最高経営責任者(CEO)の地位を利用して、経営体質を独断専行的なものにしたことも事実だ。事業推進、人事などにおいて吉村氏の専横が表面化していた。

 吉村氏の専横として各メディアでも報じられたのが、消費者金融大手のアイフル(株)との新銀行設立計画だ。山口FGは18年1月、個人・小口ローン事業強化を目的にアイフルと業務提携した。提携後、共同出資で個人向けローンを主力とするインターネット銀行設立の構想が浮上した。ネット銀行設立構想は、富樫氏の計画立案である。

 吉村氏は富樫氏の計画に乗り、アイフルと共同出資で個人向けのリテール専門銀行設立を計画。リテール専門銀行の代表は、富樫氏に内定していた。吉村氏は社内で計ることなく、言わば独断で秘密裏に新銀行設立計画を進めていたが、吉村氏の動きを察知した社内関係者の告発によって露呈した。

 吉村氏は代表権限で、取締役会の承認を得ようとしたものの、失敗。内部告発状にある富樫氏との癒着について、吉村氏は否定している。「富樫氏との癒着を、吉村氏が否定?往生際が悪いですね。両者ズブズブでしたよ。当時、吉村氏を止める胆力ある役員や幹部はいません。内部告発状の存在は大きかったですね」(前出山口FG内部関係者)。

社内に愛人をつくり公私混同

 吉村氏は、山口FGのある女性社員と愛人関係にあった。「社内では“公然の秘密”でした。地元・下関ではあまり見かけませんでしたが、東京出張時はほぼ2人でしたね」(前出山口FG内部関係者)。

 情報・メディア関連事業の(株)データ・キュービックを3年前に設立したが、設立当時、データ・キュービックの部長職に就いたのが吉村氏の愛人だった。さらに吉村氏は、愛人が「やりたい」と囁く地域活性事業企画および広告関連事業の立ち上げを委任した。しかしどの事業も不調で、形にできずに頓挫。「吉村氏の愛人は、長続きしない人物として有名です。彼女のわがままで、会社は相当の損失を被っています」と山口FG社内でもひんしゅくを買っている。

 吉村氏による山口FGの私物化、公私混同が浮き彫りになってきた。

(つづく)

【特別取材班】

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