2024年04月19日( 金 )

安倍晋三前首相の元秘書2人の「繰り言」~「役人離れ」を招く自民党菅政権

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1:誰もいなくなった

 AとBは2人とも父・安倍晋太郎氏時代から秘書を務めていた「老兵」である。「我々よりも先輩の秘書たちは、ほとんど天に召されてしまった」とAが感慨深げに語る。Bは「いや、2人は病院でベッド暮らしだ。しかし、元気になることはありえない。それにしても自民党の政治家の質が落ちてしまい、腐ったような政治家もいる」と嘆く。

2:菅氏で総選挙に挑む、その訳は?

 両氏の政局を読む力はまだまだ鋭い。Bが断言する。「22日の横浜市長選挙は菅陣営側の敗北。23日から政変が起きる」。Aは「ところが菅氏の首を取ろうという奴が誰もいない。自民党は総裁選の実施をぎりぎりまで遅らせ、衆議院議員総選挙に臨む。そして菅氏が選挙の陣頭指揮を執る」と語る。「情けないな、総選挙で50議席減るのは間違いない。その責任をすべて菅氏にかぶせて自民党総裁選挙を行うプロセスのようだ」とBは吐き捨てる。

3:役人が逃げ出し始めた

 Aが「菅氏の迫力が失われてきており、本人もそのことにようやく気づき始めた。周囲の役人たちが命令を聞かなくなっており、非常にやりづらくなったようだ」と政界の裏側を解説する。Bは含み笑いをしながら「菅氏は役人のサボタージュの後ろにそれを指揮する輩がいると信じている。滑稽だ。彼は常に権力闘争という観点からしか物事を見ることができない。役人の本能的な習性を理解していないのだろう。役人という人種は、泥船には同乗せず、すぐに逃げ出すという行動を選択するものであり、『菅丸』は沈没寸前だと認識しているのだ」と話す。

4:パーティー延期で資金不足

 Bが解説してくれた。「コロナがしてくれた善行がただ1つある。政治資金集めのパーティーを延期してくれたことである。このため、自民党議員の大半は選挙資金に困る事態に陥った。『コロナ様々』と感謝したい」。「コロナについての見解を述べるある大臣は5回もパーティーを延期している。懐具合は非常に険しいだろう。どうやって金を集めるかについて相談を受けた」とAが暴露する。「パーティー資金の前納を要請するしか方策はない。だが親しいところにしか頼めない」とBが裏話を教えてくれた。Aは「自民党議員たちが金欠で選挙に挑むという例は珍しい」と補足する。

5:誰が次を担うのか!

 「晋太郎さんが亡くなって以降、次から次へと人材が現れてきた。ところが、この激動の時期に次世代を担う人材が登場する気配がない。これでは自民党の組織の未来はない。その原因の1つは二世、三世議員が増えたからだ」とキャリアを積んだAの言葉は重い。「次は山口3区から立候補する林芳正か福岡11区の武田良太だと囁かれるが、まだまだ時間はかかる」とBの次世代議員への評価は手厳しい。最後にAが「現在の派閥の長を追い落とすパワーが自民党内から湧き上がらないと組織は瓦解してしまうだろう。身内としては晋三の3回目の復活を望むが、そんなことはあり得ない話。自民党が政権を維持できても、かつてのように首相が毎年交替するという悪夢の再現もあり得る」結論づけた。

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