2024年04月19日( 金 )

西シ銀、個人事業主も含めた「SDGs応援ローン」の取扱い開始

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 (株)西日本シティ銀行は、取引先の個人事業主や法人のSDGs(国連が掲げる持続可能な開発目標)への取り組みを支援するため、「NCB SDGs応援ローン」の取り扱いを始めた。最初の融資は最短で8月末ごろになる見通し。ローンの取扱いは2022年3月末まで。

 西日本シティ銀行は、SDGsに取り組む法人については、私募債(特定少数の投資家に買い取りを依頼して発行する社債)発行を支援して資金調達を手助けしていた。しかし私募債は発行基準が厳しいため、同行は新たな金融商品を開発して個人事業主や中小法人にも間口を広げた。個人事業主をSDGs融資の対象にするのは、あまり例がないとみられる。

 SDGs応援ローンは、審査で事業性の評価以外に、SDGsの視点からも事業性を評価する。融資額は1,000万円以上。運転資金や設備資金に使える。融資期間は、変動金利なら運転資金が1年以上10年以内、設備資金が1年以上15年以内。固定金利なら運転資金、設備資金ともに7年以内。

 融資額の1.1%(消費税込)の融資手数料が必要であるが、西日本シティ銀行は「手数料を支払っても、通常の融資より優遇金利になる」(営業企画部)としている。

 融資の際は、事前にチェックシートによってSDGsの取り組み状況を確認、評価し、融資後はフィードバックシートを使って達成度を評価、確認する。

 SDGsは、17の到達目標(ゴール)と目標到達に向けた具体的なターゲットがあり、ターゲットの達成度を判定する指標がある。チェックシートやフィードバックシートは、三井住友海上火災保険(株)とMS&ADインターリスク総研(株)が作成した。

 西日本シティ銀行は、融資した取引先が重点的に取り組む分野を記載した「SDGs宣言書」を作成、提供したり、同行サイトやPR会社を通じて取引先の取り組みを紹介したりする。

 SDGsに取り組む取引先の資金調達を手助けしながら、取引先の事業活動とSDGsとの関連性を“視える化”する融資は、イメージアップにもつながるため、全国各地の金融機関が知恵を絞っている。

【南里 秀之】

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