2024年04月26日( 金 )

さまざまな思惑、想定される複数のルート案 地下鉄空港線とJR福北ゆたか線は接続できるか?

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要望活動が結実し「実現に向けての大きな一歩」

篠栗町役場
篠栗町役場

 接続に向けて16年7月に発足した「福岡市営地下鉄福岡駅とJR九州長者原駅接続促進協議会」は、飯塚商工会議所をはじめとした飯塚地区の経済団体、学校関係者など16団体で構成。同協議会の会長は、同会議所の麻生泰会頭が務めた。翌17年9月には、今度は糟屋地域の73団体で構成される「JR九州長者原駅と福岡市営地下鉄福岡空港駅接続促進協議会」(会長:八頭司正典氏)が発足。両協議会では沿線自治体の建設促進期成会設置や福岡県などへの要望活動の一環として署名活動を実施し、18年10月には10万753名分の署名を携えて、福岡県・福岡県議会・福岡市に対して、接続促進に係る要望書を提出した。

 その後、20年1月に飯塚市議会議長から飯塚市長に対して、早期実現に向けた期成会の設置や関係機関への要望活動を求める要望書を提出。同年12月の期成会準備会による県・県議会・自民党県議団などへの要望書提出を経て、今年2月に「福岡市地下鉄福岡空港駅・JR九州長者原駅接続促進期成会」(以下、期成会)が発足した。

 発足した期成会は、糟屋地区の6町(宇美町、篠栗町、志免町、須恵町、久山町、粕屋町)と、筑豊地区の2市3町(直方市、飯塚市、小竹町、鞍手町、桂川町)の計2市9町で構成。会長には篠栗町長の三浦正氏が就いたほか、副会長に飯塚市長・片峯誠氏、監事に宇美町長・木原忠氏と桂川町長・井上利一氏が名を連ねている。同期成会の目的は、地下鉄福岡空港駅と福北ゆたか線長者原駅の接続促進を図ること。そのために、国会や関係官公庁、その他関係機関に対する要望および陳情などを行っていくことを主な事業活動としている。

 実際に、同期成会では発足後すぐに、小川洋・福岡県知事(当時)と吉松源昭・福岡県議会議長(当時)に対して、接続促進についての要望を実施。今後は事務担当者レベルでの勉強会や要望活動、総会などを実施しながら、接続実現に向けた取り組みを行っていくとしている。

 冒頭で触れた県による調査開始は、同期成会からの県知事および県議会議長への要望を受けてのもの。期成会会長を務める三浦正・篠栗町長が本誌取材(インタビュー記事は後掲)で「実現に向けての大きな一歩を踏み出したのではないでしょうか」と述べているように、これまでの筑豊・糟屋両エリアの官民挙げての要望活動が、1つ実を結んだといえるだろう。

つづく

【坂田 憲治】

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