2024年04月25日( 木 )

競合路線を共同経営する熊本市のバス5社が共通定期券制度導入へ 来年4月メド

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 熊本市の九州産交バス(株)、産交バス(株)、熊本電気鉄道(株)、熊本バス(株)、熊本都市バス(株)の5社が、来年4月をメドに共通定期券制度(通勤・通学)を導入する。5社は、独禁法特例法に基づき4月に競合するバス路線の「共同経営」に着手し、経営の効率化と乗客の利便性向上の両立を目指している。

 共通定期券制度は、どのバス会社が発行した定期券でも同じ区間なら全社のバスが利用できる。西日本では広島市が2018年4月に導入。現在、広島電鉄(株)、広島バス(株)、広島交通(株)、中国JRバス(株)、HD西広島(株)、芸陽バス(株)、備北バス(株)の7社が参加。通勤定期券の利用者と家族が、土日祝日に定期券を発行した会社のバスを定期券の区間外で利用した場合、乗車1回につき大人100円、子ども50円とするサービスも追加している。

 熊本県、熊本市、バス5社でつくる共同経営推進室によると、熊本市の共通定期券は熊本市内のバス路線の大半が対象になる見込み。
 5社すべてのバスが対象になる区間は、熊本交通センターとJR鹿児島本線熊本駅やJR豊肥線新水前寺駅など。熊本市外は産交バスと熊本電鉄が競合する菊陽町方面などが想定される。
 熊本市内で2社が競合する一部の区間では、どちらのバスが早くバス停に到着するかわからないという理由で定期券を買っていない利用者もおり、共同経営推進室は「かなり利便性のアップにつながると思う」と話している。

くまモンのIC CARD
くまモンのIC CARD

 定期券は、NECが開発した「くまモンのIC CARD」(熊本地域振興ICカード)が使われている。今後、定期券を販売する営業所やバスの車載機のシステム改修などが必要で、費用は5社合わせて約2,100万円。国が3分の1、熊本県・熊本市が3分の1を補助するため、5社の負担は3分の1で済む。

【南里 秀之】

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