オール福岡で認知症にもやさしいまちづくり「福岡オレンジパートナーズ」始動
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認知症の人が活躍できる環境づくり
日本において、認知症を患う高齢者の数が年々増えている。内閣府の「平成29年版高齢社会白書」によると、2012年に462万人だった認知症高齢者の数は、25年には約700万人まで増加すると推計。実に、65歳以上の高齢者の5人に1人が認知症という計算だ。
そうしたなか、福岡市ではこれまで、認知症の人や介護者への支援事業として、認知症コミュニケーション・ケア技法「ユマニチュード®」の普及促進や、「認知症の人にもやさしいデザインの手引き」の策定など、認知症フレンドリーシティ・プロジェクト(※)に取り組んできた。そして今回、「福岡オレンジパートナーズ」を6月7日に設立。認知症の人の「社会参加できる場」の創出を目的に、これまでの「支援」からステップアップして、認知症の人がいきいきと「活躍」できる環境づくりを進めるための新たなチャレンジを行っていくとしている。
※:福岡市が、人生100年時代に向けて健寿社会の実現を目指すプロジェクト「福岡100」の1つ。2017年よりスタートした福岡100は、21年8月16日現在で88のアクションが実践されている。
企業や団体をはじめ、医療・介護・福祉事業者などが参加する福岡オレンジパートナーズは、認知症の人を交えながら、認知症について自主的に「知る」「考える」「つながる」「行動する」ためのコンソーシアム(共同事業体)だ。こうした産学官民のオール福岡での取り組みは、政令指定都市として初となる。18年より市が開催している認知症の勉強会「NEXTミーティング」が前身となっており、これまで8回行われた勉強会では、回を重ねるごとに参加者が増加。今回の福岡オレンジパートナーズの設立時点で、約70社・団体の登録数となっている。NEXTミーティングからは、認知症フレンドリーな商品開発や、認知症の人の雇用などの事例が生まれており、今回の福岡オレンジパートナーズ設立を機に、より広く推進していく方針である。
福岡市保健福祉局高齢社会部認知症支援課の課長・笠井浩一氏は、「福岡オレンジパートナーズに参加する企業には、認知症について正しく理解してもらっており、そのうえで認知症フレンドリーなサービスや商品を提供していくことが、企業にとって非常に有益であることを共有しています。それが認知症の人にやさしいまちづくりにつながる、その共通認識をもって進めていきたい」と意気込む。
高島宗一郎 市長コメント
2050年、人口の1割にあたる1,000万人が認知症になる可能性があるといわれています。今から29年後、私自身75歳になることを考えると、そう遠くはない未来。高齢者になったときも認知症になったとしても、誰もが自分らしく生き生きと安心して暮らせるまちづくりを、認知症の方も交えて一緒に取り組んでいきたい。
(つづく)
【松本 悠子】
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