2024年03月29日( 金 )

三井住友カード、カードレスのクレカ発行 スマホ画面にバーチャルカード

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 SMBCグループの三井住友カード(東京都江東区)が、プラスチック製カードを発行せずにスマホ画面で決済を済ませるカードレスのクレジットカード(クレカ)の提供を始めた。国際ブランドのVisaとMastercardに対応する。

 同社は2月、カード券面からカード情報の表記を消したナンバーレスのクレカを発行。決済履歴をスマホアプリで確認する仕組みを採り入れ、今回はカードそのものをなくした。

三井住友カードのカードレスクレカ
三井住友カードのカードレスクレカ

 経産省によると、国内の個人消費に占める現金を使わないキャッシュレスの比率は2020年で29.7%。19年10月の消費増税にともなう政府のキャッシュレス・ポイント還元の後押しもあり、10年の13.2%から大幅に伸びた。

 このなかでクレジットカードは、1件あたりの決済金額が大きく、キャッシュレス決済に占めるウエイトが20年時点で25.8%と断トツ。ただ最近はスマホ経由での利用やQRコード決済への紐づけといったカードそのものを使わないユーザーが増えている。

 一方でオンラインショップや店頭の買い物で、スマホを使う「モバイル決済」が急速に拡大する。三井住友カードのユーザーも「Apple Pay」や「LINE Pay」などのモバイル決済が16年/21年比で登録数が7.6倍、決済額が44倍に増えている。

 同社のカードレスカードの提供は、この流れに乗った。スマホから申し込むと、最短5分程でカード番号を発行、直ちにオンラインショップの買い物ができる。またモバイル決済サービスに登録すると、「VISAタッチ決済」の対応端末を置く店頭での支払いに使える。

 カードレスのクレジットカードは、クレディセゾン(東京都豊島区)が昨年11月、「SAISON CARD Digital(セゾンカード デジタル)」のサービスを開始した。ただカードをスキャンする必要がある店頭での決済のため、プラスチック製のナンバーレスカードを残している。

 カード機能をスマホに移行させてカードレスにするのは、銀行が発行するキャッシュカードにも広がる可能性が指摘されている。たとえば、ふくおかフィナンシャルグループ(FFG)傘下のネット専業銀行「みんなの銀行」(福岡市中央区)では、セブン銀行のAТМ画面のQRコードをスマホで読み取ることで現金の入出金が行えるようになっている。

【南里 秀之】

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