2024年03月28日( 木 )

肥後銀行、セルフ入出金機を導入~デジタル戦略の一環

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 肥後銀行は11月15日に移転、新築する菊池支店(熊本県菊池市)のオープンに合わせ、九州の地銀では初めて客が現金の入出金をするセルフ入出金機を導入する。

 同行を傘下に置く九州フィナンシャルグループが第3次中期経営計画(2021年4月-24年3月)に盛り込んだデジタル戦略の一環で、計画期間内に熊本市や周辺の支店を中心に30店~40店導入するという。

 セルフ入出金機は、AТМのトップメーカー・沖電気工業(株)(東京都港区)の「スマート・キャッシュ・ステーション(SCS)」という機械で、全国では山梨県のトップ地銀、山梨中央銀行(甲府市)がすでに採用している。

 SCSの使い方はこうだ。入金の場合、店内に入った客は、発券機でQRにコード印字された受付票 (番号札)を取ってSCS前に移動。QRコードをSCSに読み取らせた後に現金を入金。その後、専用のクイックカウンターで通帳に記帳する。
 出金の際は受付票を取った後、クイックカウンターで通帳に記帳後、SCS前に移動。QRコードをSCSに読み取らせると現金が出てくる。

行員の手が要らないセルフ入出金機の概念
行員の手が要らないセルフ入出金機の概念

 SCSは紙幣、硬貨双方に対応し、紙幣は入金なら200枚、出金なら300枚、硬貨は入出金とも100枚処理できる。ただ給料の振り込みや相談をともなう入出金は、これまで通り窓口で対応する。

 客が自ら入出金処理をすることで、同行事務統括部は「客は店舗内の待ち時間が数分短縮されたと体感できる」と話す。手数料は当分、無料。将来、クイックカウンターに配置するタブレットなどの端末に組み込む業務アプリと勘定系システムをAPI連携することで多彩な現金処理が可能になるという。

 菊池支店は、現支店の老朽化にともない近隣に移転する。ヤマハ音楽教室を併設する一方、オンラインで本店のスタッフが専門性の高い相談に応じる遠隔相談などにも取り組む。

【南里 秀之】

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