2021年12月03日( 金 )
by データ・マックス

山口FGの吉村猛取締役の辞任勧告を検証する(4)

 山口FGは10月14日、吉村猛前代表取締役会長兼CEO(以下、吉村氏)に対する「社内調査本部による調査報告書と今後の対応方針に関するお知らせ」を発表。

~7月26日付の調査報告書について~
 山口FGは調査報告書で、吉村氏に対し以下7つの告発事項を公開し、取締役辞任の勧告をしている。前回は下記の(1)「第一生命保険事業への関与」だった。今回は、(2)「地方創生プロジェクトの失敗~独断専行~」、および(3)「ワイエムライフプランニングの失敗」について検証していくことにしたい。

(1)第一生命保険事業への関与
(2)地方創生プロジェクトの失敗~独断専行~
(3)ワイエムライフプランニングの失敗
(4)行員軽視、蔑視の姿
(5)外資系経営コンサルタントとの癒着
(6)業績の悪化
(7)不適切な女性関係

告発事項(2) 「地方創生プロジェクトの失敗~独断専行~」について
~この文書からみえるもの~

◆吉村氏は、常日頃、地銀界のヒーローになることを念願し、地方創生プロジェクトに熱心であった。その一つとして、同氏が、独断で関係者の了解を得ずして推し進めた(岩国市)の再開発案件プロジェクトがあった。しかし、結局(岩国市)から反故にされ、数億円の損失が発生した。

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◆調査結果によると、吉村氏は取締役会の承認を得ており独断ではなく、また損失額も、山口FGで3,000万円、ワイエムツーリズムで2,200万円の計5,200万円で、告発事項にある「数億円の損失」は発生していないとしている。

出典:山口FGホームページ「社内調査本部による調査報告書と今後の対応方針に関するお知らせ」P53~54
出典:山口FGホームページ「社内調査本部による調査報告書と今後の対応方針に関するお知らせ」P53~54

告発事項(3) 「ワイエムプランニングの失敗」について
~この文書からみえるもの~

◆吉村氏が行った新しい事業の失敗は、地方創生関連だけではない。買収した保険ショップ(保険ひろば)の業績もすこぶる不調である。また、その保険ショップをベースにコンサル型金融ワンストップのモデルを作り、2016年にワイエムライフプランニングとしてスタートしたが、その業績も散々であり、赤字を垂れ流している。さらに、ワイエムライフプランニングに山口銀行の支店長経験者を送り込もうとしたが、全員から拒絶され、ワイエムライフプランニングのモデルは崩壊しつつある。
 ワイエムライフプランニング行きを指名された行員は、吉村氏の一方的な指名に、あきれると同時に怒りの感情をおぼえ、一部の行員は、この様に意見が言えない社風といささかの愛情もしめせない山口フィナンシャルグループおよび吉村氏に悲観し、グループを去っていった。(原文まま)
◆調査結果によると、告発事実にいう「支店長経験者を送り込もうとしたが、全員から拒絶」された事実はないとしているが、業績が厳しい状況にあることは認めているようだ。

出典:山口FGホームページ「社内調査本部による調査報告書と今後の対応方針に関するお知らせ」P55~56
出典:山口FGホームページ「社内調査本部による調査報告書と今後の対応方針に関するお知らせ」P55~56

<まとめ>
 吉村氏が進める新規事業が、ことごとく失敗している状況がわかる。ただ、いえることは、吉村氏の周辺に適切な意見を進言する役員がいなかったことや、進言すれば左遷される恐れがあることから、「何もいえない」閉塞感が山口FG内に漂っており、それが後に吉村氏解任を生む要因となったことは間違いないようだ。

(つづく)

【(株)データ・マックス顧問 浜崎 裕治】

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