2021年12月07日( 火 )
by データ・マックス

山口FGの吉村猛取締役の辞任勧告を検証する(5)

吉村氏に対する7つの告発事項

 山口フィナンシャルグループ(以下、FG)は「社内調査本部による調査報告書と今後の対応方針に関するお知らせ」を発表(14日)し、吉村猛前代表取締役会長兼CEOに対して以下の7つの告発事項を挙げて、取締役辞任を勧告した。今回は「(4)行員軽視、蔑視の姿勢」を検証する。

(1)第一生命保険事業への関与
(2)地方創生プロジェクトの失敗~独断専行
(3)ワイエムライフプランニングの失敗
(4)行員軽視、蔑視の姿勢
(5)外資系経営コンサルタントとの癒着
(6)業績の悪化
(7)不適切な女性関係

至るところで行員を軽視・蔑視

 吉村氏の行員軽視・蔑視の姿勢は至るところで見られる。昨年9月の部店長会議では、「当行テラー(銀行窓口係)はコンビニの従業員と同じ」という趣旨の発言があり、行員とその家族から非難の声が多々上がった。

 また、経営執行会議に幹部行員を呼びつけて、支離滅裂な指示を行うこともあった。たとえば、予算策定について非現実的な発言を繰り返し、実務を担う行員を混乱させた結果、いまだに予算が決まらない状態にある。

 執行役員や部長職に対しても罵詈雑言を浴びせている。今年3月末、吉村氏に従順だった某執行役員に対し、「お前は傷ものだ」などの暴言を吐き、この執行役員は辞職してしまった。そのほか、リテール部門ではこの3~4年間に執行役員本部長や推進部長が降格または左遷されている。

 実際のところ、降格人事や突然の左遷が横行し、行員のモラルは著しく低下。行員は“恐怖政治”の下で働かざるを得ない環境にあった。

 そうした吉村氏の行員軽視・蔑視の姿勢に関する調査結果として、次のような点が報告された。

 (1)「テラーはコンビニ従業員と同じ」旨の発言については、言い方は違うものの確認されている。ただし、一部の表現のみを切り取って、「社員軽視・社員蔑視」であると断定することは相当ではないと擁護した。

 (2)「経営計画の策定」は山口FGの取締役会(5月14日)で決議されたが、年度当初に示されず遅れたことを認めている。

 (3)「お前は傷ものだ」の発言は執行役員が周囲に語ったもので、執行役員の辞任理由は、内部通報によりパワハラと認定され、取締役会で辞任勧告決議が行われたことによると指摘している。

 (4)「リテール部門の降格・左遷人事」については、短期間で交代が繰り返されたとしつつも、人事異動に関するプロセスに特段の問題は認められないとしている。

告発事項(4) 「行員軽視、蔑視の姿勢」

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内向き、保守的な忖度の組織文化

 調査結果の最後に、山口FG本部における組織満足度幸福度診断(2019年5月)で「(山口FG傘下の行員は)内向き志向で保守的な忖度が組織文化として根付いていると評価されている」と指摘。そのことが、吉村氏の「行員軽視、蔑視」を増長させる要因の1つとなったと考えらえる。

(つづく)

【(株)データ・マックス顧問 浜崎 裕治】

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