2022年01月18日( 火 )
by データ・マックス

山口FGの吉村猛取締役の辞任勧告を検証する(6)

 山口FGは10月14日、吉村猛前代表取締役会長兼CEO(以下、吉村氏)に対する「社内調査本部による調査報告書と今後の対応方針に関するお知らせ」を発表した。

~7月26日付けの調査報告書について~
 山口FGは調査報告書で、吉村氏に対し以下7つの告発事項を公開し、取締役辞任の勧告をしている。これまで(1)~(4)を検証してきたが、今回は、(5)「外資系経営コンサルタントとの癒着」について検証していくことにしたい。

(1)第一生命保険事業への関与
(2)地方創生プロジェクトの失敗~独断専行~
(3)ワイエムライフプランニングの失敗
(4)行員軽視、蔑視の姿
(5)外資系経営コンサルタントとの癒着
(6)業績の悪化
(7)不適切な女性関係

告発事項(5) 「外資系経営コンサルタントとの癒着」について
~この文書からみえるもの~

◆吉村氏は常日頃、銀行のモデルの転換、改革を実行しなければ生き残れないと話しているが、その発想は吉村氏独自のものではなく、外資系コンサルタント(オリバーワイマングループ社)の受け売りに過ぎない。(オリバーワイマングループ)社のヘッドである(富樫直記)氏は、著作がある程この分野では著名な人物であるが、悪評も数多くある要注意人物である。(オリバーワイマングループ)社は、外資系の特徴でもあるが、極めて高額にコンサルタント料を要求しているにもかかわらず、そのプロジェクトの実現性という観点では、必ずしも優れた実績を残していない。
 山口フィナンシャルグループは、この数年間で5億円を優に超えるコンサルタント料を(オリバーワイマングループ)社に支払い、その支払いも経費の社内規程プロセスを必ずしも適切に得ていない。吉村氏の背任行為に近い方法にて行っている。 
※ ( )内は黒塗りされている部分で、筆者が挿入

◆調査結果によると、(1)経費支払明細に基づいて整理した(オリバーワイマングループ)社とのコンサルティング契約明細によれば、2016年度2020年度までの5年間で、契約件数は16件、委託料総額は4億4,100万円(税込み約5億円)となっており、ほぼ告発事項の金額と一致している。
・(2)(オリバーワイマングループ)社によるコンサルティングの実施については、所定の手続きを経ている。また、経費支出についても稟議決裁後に適正に行われており、「社内プロセスを経ていない」「背任行為に近い方法」と指摘しているが、その事実は認められなしいとしている。

出典:山口FGホームページ「社内調査本部による調査報告書と今後の対応方針に関するお知らせ」P60
出典:山口FGホームページ「社内調査本部による調査報告書と今後の対応方針に関するお知らせ」P60

<まとめ>
 筆者はNet I B Newsに、「山口FGが調査報告書を発表~吉村猛取締役に辞任勧告(前)」と、「山口FGが調査報告書を発表~吉村猛取締役に辞任勧告(後)」を連載している。
 オリバーワイマングループ(株)日本代表パートナーの富樫直記氏は、自らが提唱したリテール(小口業務)専門の「新銀行」を山口FGの傘下行として設立し、その銀行のトップに就任するために、今年4月に代表パートナーを退任していたという。
 しかし、6月25日に開催された株主総会後の山口FGの臨時取締役会で、吉村猛会長兼CEO(最高経営責任者)は解任され取締役に降格。実権を失った。また、椋梨敬介社長のCEO就任とともに、新銀行設立も否決された。
 さらに吉村氏は10月14日付で、山口FGより取締役辞任勧告を受けている。はたして、一蓮托生であった吉村氏と富樫氏は今後どのような動きを見せるのだろうか。

(つづく)

【(株)データ・マックス顧問 浜崎 裕治】

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