2024年04月20日( 土 )

こども病院跡に医療・教育施設?変貌する「福岡・唐人町」(後)

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ホークスタウン跡地再生で、「MARK IS 福岡ももち」開業

MARK IS 福岡ももち
MARK IS 福岡ももち

 こうして臨海部は福岡ドームを核としたホークスタウンができ、晴れて地元球団となったダイエーホークスが徐々に力を付けていくにつれて、ドームを目的地とした人流が、唐人町駅から生まれるようになる。ホークスは、99年シーズンにはついに福岡移転後初のリーグ優勝をはたし、さらにはその後の日本シリーズも制して日本一に。翌年もリーグ2連覇を成し遂げ、その後の常勝球団としての礎を築いていった。

 その一方で、ダイエーグループの経営悪化が深刻化し、04年には球団の経営権をソフトバンクへと売却。05年2月に福岡ドームが「福岡Yahoo! Japanドーム」に、同年3月にシーホークホテル&リゾートも「JALリゾートシーホークホテル福岡」へと改称されたほか、同年11月には「ホークスタウンモール」も拡張されて、グランドオープンとなった。だが、拡張されたホークスタウンモールも、ドームでの野球の試合や大規模イベントが開催される日はかなりの賑わいぶりを見せていたものの、それ以外は半ばゴーストタウンのように活気が失われつつあった。

 その後、15年1月に三菱地所(株)が「ホークスタウンモール」の信託受益権を取得。今後の再生方針を検討した結果、既存施設をすべて取り壊して建て替える再開発計画を打ち出し、その前段階として「ホークスタウンモール」の営業を終了することを発表した。そして16年3月末をもって営業が終了。開業から16年の歴史に幕を下ろした。

ザ・パークハウス福岡タワーズEAST棟
ザ・パークハウス福岡タワーズEAST棟

    その後、18年11月に満を持してグランドオープンを迎えたのが、「MARK IS 福岡ももち」だ。三菱地所が手がける商業施設ブランド「MARK IS(マークイズ)」として全国3施設目の福岡ももちは、天神以西では福岡市内最大規模の商業施設で、約4万8,000m2の店舗面積に163(開業時)のテナントが集積。1階部分はスーパーのハローデイが入るほか、ユニクロやドラッグストアなどの生活に密着したフロアとなっており、周辺住民の日常使いにも配慮されている。

 また、施設のすぐそばにはWEST棟とEAST棟の2棟からなる全584戸の大型分譲マンション「ザ・パークハウス福岡タワーズ」も開発。20年7月には、「HKT48劇場」や「王貞治ベースボールミュージアム」などが入るエンターテインメント施設「BOSS E・ZO FUKUOKA(ボスイーゾ・フクオカ)」も開業した。こうして地行浜一帯の臨海部は、「福岡PayPayドーム」(20年2月に改称)を核として、大規模商業施設による誘客と、大型分譲マンションによる新規住民の大幅増加で、域内外からの賑わいを創出する華々しいエリアへと変貌を遂げている。

【坂田 憲治】

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