糸島サイエンス・ヴィレッジ構想実現で、学研都市としてのブランド力向上へ
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グローバルに発展する学術研究都市へ
糸島市役所 企画部
ブランド・学研都市推進課
定住・学研都市係
主任 中村 勇喜 氏――SVI構想に期待されることなどをお聞かせください。
中村 SVI構想は、九大の知的資源をベースにした新しい技術などを、実用化・事業化につなげるための企業や研究所の立地を促進し、地域内外の研究者や民間事業者、学生、さらには地元住民が交流する知的創造・研究交流拠点SVIを大学隣接地に創っていくものです。
水素エネルギー製品研究試験センターや社会システム実証センター、三次元半導体研究センターの立地は進んでいますが、市内在住の大学生は学卒後、関東圏で就職するケースが多く、優秀な人材を地元に定着させるためにも、大学の基礎研究を実用化・事業化するイノベーションが次々に生まれる学術研究都市の、さらなる推進が求められます。
今後、都市計画法による地区計画などを進めることで、大学に関連した研究所や企業などの誘致、大学発のベンチャー企業の育成を図りながら、SVI構想の早期実現に向けた取り組みを進めています。
SVIによって、さまざまな分野の企業・研究者などが自然豊かな糸島市に集積し、イノベーションや新産業が生まれ、地域と大学の学生・教職員などが活発に交流し、働く場、活躍する場となる、真の学術研究都市が構築されることを期待しています。
――SVI推進協議会が取り組まれていく予定のものについて、教えてください。
中村 SVIの実現を進めていくなかで、さまざまな知見や技術をもつ研究者や民間事業者が自由にアイデアを出し合い、話し合える場を創出します。まずはデジタルヘルスケアや再生可能エネルギー、情報通信分野などを中心に議論を重ね、新たな事業を生み出し、その情報を発信することにより、ニュービジネスに取り組みたいという事業者がさらに集まるような場所にしていきたいと考えています。
また、SVIエリアで限定的に利用できる第5世代移動通信システム、通称「ローカル5G」を設置し、この通信環境を1つの通信インフラとして、5G環境下で可能な実証実験および研究を進めていきます。どのような実証実験に取り組んでいくかは、現在検討中です。
――国際村構想との相乗効果について、自由な意見をお聞かせください。
中村 国際村構想は、セトル(株)や金融機関のご協力もあり、20年8月に240室の国際寮、21年8月に85室の国際ホテルがオープンしました。また、国際村構想の南側では土地区画整理事業も進んでおり、多くの居住空間が創出されます。
人と地域の交流の場である国際村と、知の拠点であるSVI。将来的に、この2つの村が連携することで、九大周辺のまちづくりが加速し、グローバルに発展する学術研究都市になっていくことを期待しています。
【代 源太朗】
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