JT九州工場閉鎖で筑紫野どう変わる？（後）

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2022年3月7日 06:00

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　筑紫野市の日本たばこ産業（株）（以下、JT）九州工場は、雇用創出など地域社会に相応の恩恵をもたらしてきた。JT広報によれば、工場跡地の利用（売却、自社利用含む）方針については、未定とのこと。筑紫野市および九州工場の概要をまとめ、同工場跡地に対する筑紫野市民や企業経営者の声とともに、変わりゆく筑紫野市について考察する。

跡地はコストコ？

取材時には噂や希望の声が大半を占める一方、具体的な企業名が挙がったものもあった。「コストコ」である。

　コストコジャパン（株）が運営する大型ショッピングセンター「コストコ」は現在、九州内に久山倉庫店（福岡県久山町トリアス久山内）、北九州倉庫店（北九州市八幡西区）、熊本御船倉庫店（熊本県御船町）の3店舗がある。いずれも集客力のある店舗だが、コストコの店舗展開には、その性質上いくつかの条件が公表されている。

コストコ出店の土地条件

□高所得層マーケット
□半径10kmの人口が50万人以上
□企業が多い地域
□敷地面積：1万坪（約3万3,057m²）以上
　（ガスステーション用敷地を含む）
□建築面積：約4,500坪（約1万4,876m²）
□用途地域＝準工、商業、近隣商業
　（売り場面積1万m²超）
□駐車場収容台数　800台以上
□車のアクセスの良い物件
□購入・定期借地（40年以上）・建貸

　JT九州工場の立地条件からすれば、可能性はなくはないだろう。JTが公表している工場敷地面積は16万5,886m²（約5万180坪）。コストコの最低敷地面積の約5倍以上の面積を有している。

　商圏人口はどうだろうか。半径10kmを見ると、主に住宅地が多いのは、福岡市内に向けた北西方向と佐賀県鳥栖市に向けた南方向だ。北西方向には隣接している大野城市、春日市を越えて福岡市南区にあるJR笹原駅近郊までが該当し、南方向には同様に隣接している筑紫野市原田、佐賀県基山町を越えて、鳥栖市にあるJR鳥栖駅近郊までが該当している。それぞれの半径10km圏内と見られる今年1月時点の人口は、以下の通り。大野城市約10万人、春日市約11万人、基山町約1.7万人、太宰府市約7万人、那珂川市約5万人、福岡市博多区約25万人、同市南区26万人。これらを合計すると約85万人。福岡市や基山町、那珂川市は全域が圏内に入っているわけではないため正確な人口数ではないが、筑紫野市の人口10万5,707人が加わり、高速道路九州道や国道3号線が近いことで圏外からの来客も見込めるため、検討できる状況ではないだろうか。

[つづきを読む] 工業・物流施設のネックはやはり渋滞？

【麓　由哉】

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