2024年04月26日( 金 )

政界再編基軸はTPPの賛否

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 NETIBでは、政治経済学者の植草一秀氏のブログ記事から一部を抜粋して紹介する。今回は、政治再編に向けてのさまざまな動きの核心を掴む最重要視点が、「TPP容認派」か「TPP阻止派」かとした、6月28日付の記事を紹介する。


 6月29日(月)の午後6時から午後8時、東京水道橋にあるスペースたんぽぽ東京都千代田区三崎町2-6-2 ダイナミックビル5階で開催される「たんぽぽ舎」主催学習会でお話させていただく。連続講座「今の情勢にどう立ち向かうか」の第2回である。

 「今の情勢」とは、もちろん、安倍政権による民主主義破壊活動により、日本の民主主義が未曾有の危機に直面していることを指している。日本の未来を方向付ける原発、憲法、TPP、そして基地、格差の各問題について、日本の主権者の意思には反する方向に、日本が強引に誘導されようとしている危機のことである。

 問題は、この安倍政権与党が国会の多数議席を占有していることである。日本国憲法は国会を国権の最高機関と定めているから、その国権の最高機関である国会における多数議席を占有する安倍政権与党は強大な力を持っている。しかしながら、安倍政権与党が日本の主権者多数の支持を得ているのかというと、そうではない。多数の支持を得てはいないが、多数の議席を占有している。つまり、民意と国会議席配分との間に巨大な「ねじれ」が存在している。この巨大な「ねじれ」が日本の民主主義を危機に陥れている直接的な原因なのである。

 民主主義の基本は、主権者である国民多数の意思に沿う政治を実現することだ。残念ながら、現状は、主権者である国民多数の意思に沿う政治が実現していない。この現状をどのように是正してゆくのかが、いま問われている問題である。この問題について、問題意識を共有する多くの主権者の方々と真剣に考察したいと考えている。

 日本の主権者の多数は、いま日本政治が直面している重要問題について、どのように考えているか。原発の再稼働を推進するべきか、断念するべきか。集団的自衛権の行使を容認するべきか、容認するべきでないか。TPPに日本は参加するべきか、参加するべきでないか。沖縄県名護市辺野古に米軍基地を建設するべきか、建設するべきでないか。格差拡大を推進するべきか、格差を是正するべきか。
 こうした5つの重大問題がある。これらの問題について、日本の主権者多数の意思に沿う政治が実現される必要があるのだ。

 現状の問題は、日本の主権者多数が、「原発を再稼働させるべきではない」「集団的自衛権の行使は容認すべきでない」「TPPに参加するべきでない」「辺野古に米軍基地を造るべきでない」「格差を是正するべきだ」と判断しているのに、安倍政権が、国会の多数議席を占有していることのみを盾にして、主権者多数の意思を踏みにじる政治を強硬に推し進めていることにある。これを是正する具体的な方策を早急に定めて、実行に移さなければならない。

 【オールジャパン:平和と共生】は、原発再稼働阻止、集団的自衛権行使阻止、TPP不参加の方針を共有する主権者が連帯運動を展開するものである。目標は、この方針を明示する国会議員が国会の過半数議席を占有することである。そのための方策を考えたい。
 この運動について、一番分かりにくいのがTPPの取扱いである。この点については、6月25日付ブログ記事「TPP容認はグローバル強欲巨大資本派の証し」に記述したように、実は政界再編に関連して、もっとも重要なポイントがTPPの取扱いであることを改めて強調しておきたい。

 日本を支配する米国は、自公勢力に対立する勢力をも、TPP容認勢力にしておきたいのだ。いま存在する、政治再編に向けてのさまざまな動きの核心を掴む最重要の視点が「TPP容認派かTPP阻止派か」なのである。

※続きは6月28日のメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」第1179号「TPPこそ対米隷属安倍暴走政治の核心」で。


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・植草一秀の『知られざる真実』

 

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