2024年04月17日( 水 )

現役空手家が母子支援施設を笑顔に

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(株)拳和警備保障

石松氏にお礼を述べる女児<

石松氏にお礼を述べる女児

 7月24日は土用の丑の日。福岡市博多区に本社を置く警備会社「拳和警備保障」から、室見と百道の母子生活支援施設に「うな重」がプレゼントされた。

 同社は、空手家で構成された異色の警備会社。会社設立当初から社会奉仕活動にも力を注いでおり、活動は九州盲導犬協会に寄付をした2004年12月から10年間続いている。母子支援施設へは、2008年から毎年、夏には土用の丑の日にうな重を、冬にはクリスマスケーキをプレゼントしてきた。

 今年74歳を迎える同社代表の石松剛氏は、警備会社の社長でありながら空手道場の師範も務める現役の空手家だ。人命にかかわる仕事ということもあって、仕事はもちろん稽古も一切手を抜かない。多忙を極める石松氏だが、夏と冬の年2回、プレゼントを持って必ず施設へ足を運ぶ。他にもお世話になった方々にうな重を配ってまわるため、配るだけで3日、準備期間も入れると優に1週間以上に時間がとられる。うな重の費用は道場の指導料から捻出している。決して半端な覚悟でできることではない。

現役空手家で警備会社社長の石松氏<

現役空手家で警備会社社長の石松氏

 うな重をプレゼントするにあたって、石松氏は子供たちの身を案じ「楽しい夏休み期間中ですが、事件や巻き込まれたり事故にあったりしないように」と声をかけた。石松氏は、過去にその飛びぬけた実力から「鬼の石松」と恐れられ、危険と隣り合わせの厳しい警備の世界で生きてきた。そんな石松氏の施設の子供たち一人ひとりへ向ける眼差しはひどく優しい。「空手は弱者を守るためのもの」という信念を貫いてきた石松氏からすれば、施設の子供たちは守りたい存在なのだろう。

 プレゼントを終えた石松氏は、「10年の節目を迎えてほっとした気持ちはあります。この先はわかりませんが、こうして受け取ってくれた子供たちの笑顔を見るとやはりいろいろと考えさせられますね」と語った。来年もこうして笑顔溢れる土用の丑の日が来ることを願ってやまない。

【山崎 由梨奈】

 

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