2024年04月20日( 土 )

アビスパ 良い経験~岡山に痛い1敗も

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avispa J2のアビスパ福岡は8月23日(日)、2015明治安田生命J2リーグ第30節、ファジアーノ岡山と、アウェーのシティライトスタジアム(岡山県総合グラウンド陸上競技場)で戦い、1-0で敗れた。30節を終了した時点で、アビスパは13勝8敗9分勝点48のリーグ第5位と変わらず。以下、第6位の愛媛FCは勝点47。第7位のジェフユナイテッド千葉は勝点46と僅差で、アビスパに肉薄してきている。

 両チームとも終始堅い守備で、ゴールの最前線で優れたパフォーマンスを披露。特に岡山の元日本代表のDF、岩政大樹選手の身体を張った、優れた戦術眼による“ヨミ”のパフォーマンスで、アビスパのFW陣を完全に封じた。アビスパは幾度となく得点のチャンスがあり、進化した攻撃の形を披露していたものの、岡山・岩政選手の好守に阻まれたと言える。さすが、J1鹿島アントラーズで数々のビッグタイトルの獲得に貢献し、日の丸を背負い世界と戦った経験のある岩政選手だ。ここ一番という時のパフォーマンスは、鋭く精密である。岩政選手ひとりではフットボールは出来ないが、なぜ岡山がリーグ戦で低迷しているのか不思議でならないというのが印象だった。

 話がやや脱線した。アビスパは、強豪ジュビロ磐田に勝利するなど上昇気流に乗っていたが、苦汁を飲まされることとなった。岡山がアビスパとの対戦に際して、周到な準備を行ってきたことが垣間見た。守備においては、前述した岩政選手を中心とした5バックを採用し、好調なアビスパの攻撃を封じた。岡山のきめ細かなスカウティングと守備陣の連動によってもたらした堅守であった。岡山が何としてもアビスパの攻撃を封鎖するという、意気込みがアビスパを上回った。

 一方のアビスパは手痛い1敗であることは間違いない。しかし、悲観することはない。サッカーの専門家などの評を見ると、「アビスパの今後は厳しい。J1は無理だ」という類のコメントや寸評が散見されるが、気にする必要はない(気にしないだろうが)。プロ同士のゲームである。ギャラリーや評論家が述べるように、思い通りに行かないのが、プロのフットボールである。今回は痛い敗戦で、苦い経験をした。その経験を活かし、またそれを上回るための準備とトレーニングを行っていくことである。門外漢の筆者が言わずとも井原正巳監督とコーチングスタッフ、そして選手の皆さんは分かっているであろう。必ず修正して次のゲームに挑むはずだ。今シーズンのアビスパは、修正することに優れている。その裏付けがハードワークだ。アビスパの持ち味であるハードワークによる相手チームを翻弄する戦いぶりを見たいものだ。

 8月30日(日)、9月5日(土)は第95回天皇杯全日本サッカー選手権大会のゲームとなる。アビスパの初戦は東海大学熊本である(8月30日レベスタ16:00キックオフ)アマチュアとのゲームは、プロにとってやりにくい面がある。それでもリーグ戦に向けての準備を披露できるチャンスでもある。好ゲームを期待する。

【河原 清明】

 

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